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シャープ、太陽光発電で世界最高の非集光時セル変換効率137.7%を達成

 シャープは、太陽光発電において世界最高の非集光時セル変換効率137.7%を、インジウムやガリウムなど、2種類以上の元素からなる化合物を材料とした光吸収層を3層重ね、各層で異なる波長の光を吸収させることで、高い変換効率を実現する「化合物3接合型太陽電池」で達成した。

 これは、NEDOの「革新的太陽光発電技術研究開発」プロジェクトの一環として行われたもの。同プロジェクトは、新材料・新規構造等を利用して太陽光発電の「モジュール変換効率40%超」かつ「発電コスト7円/kWh」を達成するための探索研究を行い、2030年以降の実用化を目指すもの。今回の成果によって、プロジェクトの目標達成時期が前倒しされ、超高効率太陽電池の早期実用化が期待される。

 現在、導入されている太陽電池の約80%を占めるシリコン結晶の太陽電池は、市販製品で最高20%程度の変換効率を有している。太陽光発電をさらに普及させていくためには、狭い面積でも充分な発電量が得られるように、変換効率を向上させていく事が重要なポイントとなる。

 NEDOは、将来の高効率太陽電池の一つである化合物太陽電池の開発をシャープに委託して進め、2011年11月に化合物3接合型太陽電池で非集光時セル変換効率36.9%を達成している。今回新たに、受光面の総面積に対する有効受光面積の比率を増やすことで、太陽電池の最大出力を向上させ、変換効率を37.7%まで高めることに成功した。

 プロジェクトの長期目標である「モジュール変換効率40%超」達成のため、今後、さらなる効率向上を図るとともに、実用化へ向けたコスト低減などの技術開発を進めていく。