三菱重工、P&Wの中小型ガスタービン事業ユニットであるPWPSの買収を完了

 三菱重工業は、米国の航空機用エンジンメーカー、プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney:P&W)の中小型ガスタービン事業ユニットであるプラット・アンド・ホイットニー・パワーシステムズ(Pratt & Whitney Power Systems:PWPS)の買収手続きを完了したと発表した。これを受け、PWPSは17日(現地時間)、商号を「PWパワーシステムズ(PW Power Systems, Inc.:PWPS)」と変更し、三菱重工グループ企業として営業を開始した。

 今回の買収完了は、昨年12月、P&Wの親会社である米複合企業、ユナイテッド・テクノロジーズ(United Technologies Corporation:UTC)とのPWPS買収契約締結を受け、これまで進めてきた一連の許認可取得などの手続きすべてが終了したもの。三菱重工はこれにより、2014年1月に実施する日立製作所との火力発電部門の統合と合わせ、火力発電システム市場に対応する。

P&Wの航空機エンジン転用型ガスタービンP&Wの航空機エンジン転用型ガスタービン PWPSは航空機エンジン転用型ガスタービンを活用したエンジニアリング・組立・販売を主力に、ガスタービンのサービスやEPC(設計・調達・建設)なども手掛けている。従業員数は約430人。また、今回の買収に伴いイタリアの低温熱源発電用(ORC)タービンメーカーであるターボデン社(Turboden s.r.l.)も同社の系列に加わることとなった。

 三菱重工はこれまで大容量かつ高効率のハイエンド機を中心にガスタービン事業を展開してきたが、PWPSの中小型の航空機エンジン転用型ガスタービンが同社の製品群に新たに加わることで、売上規模で先行する欧米の競合他社にも匹敵するフルレンジのラインナップが整う。

 PWPSの航空機エンジン転用型ガスタービンは、コンパクトな設計と起動時間の早さにより主として非常用発電用として高い評価を受けており、これまで世界中に1700台以上の納入実績を持っている。今後はさらに再生可能エネルギーのフレキシブルな補完電源として大きな伸張が見込めるほか、新興国の小型電源としても幅広い市場を期待できる。また、これまでは3万kWクラスの機種が主力だったが、現在開発中である6万kWクラス新機種の早期投入を考えており、これによりシェアの大幅拡大を目指す。

 ターボデン社のORCタービンはバイオマスや工場排熱、さらには地熱などの低温熱源を用いて発電や温水供給できるシステムが特徴で、欧州を中心に世界20ヵ国向け300基超の販売実績を持っている。日本においても再生可能エネルギーの固定買取制度により、これまで利用されていなかった地熱やバイオマスなどの低温熱源を用いた発電事業が増加しているが、今後、これら拡大する市場で積極的な事業展開を行っていく。

 三菱重工は今後、PWPSと密接に連携し、大型機と航空機エンジン転用型機の双方の長所を生かしながら、その相乗効果で、エネルギーの有効利用と環境負荷の低減に貢献するガスタービンの世界シェア30%超の早期達成を目指す。