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三菱重工など、シンガポールの新交通システム輸送力増強工事を受注

三菱重工業が開発したAPM三菱重工業が開発したAPM 三菱重工業は、三菱商事と共同で、シンガポールの北東部にある新興住宅地のセンカンおよびプンゴル両地区を走る新交通システムの輸送力増強工事を同国陸上交通局(LTA:Land Transport Authority)から受注した。ゴムタイヤ式全自動運転車両(APM:Automated People Mover)の2両連結化を中心に設備増強を行うもので、受注金額は約120億円。工事完了は2016年を予定している。

 受注したのは、2両連結運行が可能な新車両16両の納入と、既存車両41両のうち16両の改造および変電設備の電力容量増強と信号設備の位置や運転制御システムの変更など。三菱重工は、新車両の製造、車両・信号や電力設備などの改造に向けた設計、機器供給、据付工事および試運転を担当する。

 改造工事および試運転は、新交通システムの営業時間外に実施。完了後は、現在の1両だけの運行から、2両連結運行を交えたオペレーションが可能となり、乗客の時間帯別増減に柔軟に対応できるようになる。

 シンガポールのセンカン線およびプンゴル線は、地下鉄北東線の2駅と住宅地を結ぶ路線長約22kmの支線。三菱重工が開発した海外都市交通向けAPM(クリスタルムーバー)の初号プロジェクト案件で、同社と三菱商事が1998年に受注。2003年に開業した。

 APMは、完全自動運行システムで無人走行し、ゴムタイヤ走行方式を採用するため、運行が滑らかで騒音が低いという特長を持っている。同社は両線のほか、米国、香港、シンガポール、韓国、ドバイの空港向けに納入実績があり、2010年には東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)向けに新造車両108両を受注し、2011年にはマカオ向けに車両110両など軌道系交通システム(LRT:Light Rail Transit)一式を受注するなど、世界市場でトップを争うポジションにある。