第186回 第17回機械要素技術展開催、部品や金型などの精度・性能を高める技術

 軸受や直動案内機器、歯車などの機械要素や、金属や樹脂などの材料とその加工技術、表面改質技術やそれらの計測・評価技術に関する専門技術展「第17回機械要素技術展」が6月19~21日、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された。メンテナンスフリー化を図る軸受や直動案内機器の技術、エッジ品質を向上し部品や金型の精度や性能を高めるバリ取りなど加工技術、部品や金型の性能を高める表面改質技術などの最新の製品技術が出展された。

直動案内機器のメンテナンスフリー技術

 軸受や直動案内機器など摺動する箇所では、一般に摩擦を軽減する潤滑油やグリースが必要となる。しかし食品機械や半導体製造プロセスなど潤滑油の使用を避けたい用途や、潤滑油の補給が難しい用途では、潤滑油剤を用いずに稼働することが求められる。

THKのブース: THKのブースTHKのブース: THKのブース THKでは、直動案内にボールリテーナを採用するとともに、ボールねじに潤滑装置QZを採用した電動アクチュエータを出展した。潤滑装置QZは、ボールねじ軸の転動面に適切な量の潤滑油を供給、ボールと転動面の間に油膜が常に形成され、潤滑性の向上とメンテナンス間隔の大幅な延長を可能にするという。 日本トムソンでは、熱硬化形固形潤滑剤「Cルーブ」を充てんした直動案内を出展した。Cルーブは、多量の潤滑油と微粒子の高分子ポリオレフィン樹脂を熱処理固形化した潤滑剤で、直動案内の稼働とともに潤滑剤が軌道面に常時適量しみだし、長時間にわたって直動案内の潤滑性能を維持する。

高精度部品・金型を作る加工技術

 機械要素技術展では軸受や直動案内など部品や金型の精度や品質を高める様々な加工技術が紹介されたが、中でもエッジ機能を満足させるためのバリ取り・エッジ仕上げ技術が多数出展された。

三共理化学のブース: 三共理化学のブース三共理化学のブース: 三共理化学のブース 三共理化学では、バリ取りのほか、はく離、粗し・下地処理、研磨などに適用できる「ブロワ式ブラスト装置」を提案した。研磨メディアを変えることで微細バリだけを除去できるほか、薄膜、塗膜のはく離、溶接焼けなどの研磨処理、さらには下地処理として面粗度を調整することでコーティング膜の密着性を向上させる役割を果たすという。また、コンプレッサー式に比べて電気消費量が70%削減できる省エネ性、付帯設備・機器が不要なため省スペース性に優れている点などを強調した。同社はこのほか、精密研磨材「ミラーフィルム」や「ラッピングフィルム」などの展示を行ったことで、来場者からは研磨全般についての相談が寄せられた。スイス・イエプコ社のブラスト装置を取り扱うプラストロンは、粒子を吹き付けることで微細なひびや空孔を閉塞させて金型や部品等、金属表面の平滑化・緻密化を行う処理を実機を展示して紹介した。この工程で、トリボフィニッシュ処理と呼ばれる専用の粒子を使用すると表面にすべり性が付与され、金型などの離型性向上やかじり・チッピング防止につながるという。

コーティングなどの表面改質技術

表面処理・改質フェア: 表面処理・改質フェア表面処理・改質フェア: 表面処理・改質フェア 表面改質関連技術としてコーティングでは、日本コーティングセンターが親会社のトーカロと共同出展し、耐摩耗性に優れたPVDやDLCコーティングのサンプルを展示したほか、新技術として超硬基材上のTi系被膜の除膜を紹介、表面粗さの変化が少ないことをPRした。アルバックテクノは、硬質アルマイトにフッ素樹脂を複合させた「タフラム」をアルミニウムおよびアルミニウム合金に適用することで、耐摩耗性・摺動性の向上やかじり防止などの特性に加えて電気絶縁性、離型性、耐食性の機能付与が可能とした。同じく硬質アルマイト被膜である「イーマイトUH処理」の紹介を行った熊防メタルは、従来の硬質アルマイトよりも1.7倍の硬度(HV600以上)を有し、耐摩耗性および耐熱・耐クラック性に優れることから半導体や医療関連などの幅広い分野に適用できるとした。

パルメソのブース: パルメソのブースパルメソのブース: パルメソのブース 表面改質の試験・評価技術では、パルメソが薄膜などの表面改質層から基材までを連続して精密評価する「MSE試験法」を紹介。展示では、DLC薄膜や樹脂系材料の試験事例のほか、このほど新たに可能になった鉄鋼系の焼入れ材の硬さと摩耗率の相関を測定した結果をパネルにして展示。研磨で削りながら表面を摩耗させることで、深さ分解能100nmごとに硬さと摩耗率の相関を高精度に測定できる。同社では国内で唯一同試験の受託測定を行うとともに、装置の販売も行っていることを強みに来場者にPRを行った。