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堀場製作所、粒子径最小クラスで20nmを測定する粒子径分布測定装置

堀場製作所「LA-960」 堀場製作所は、レーザー光を使って微粒子の大きさを測定する、粒子径分布測定装置「LA-960」の販売を7月1日に開始する。

 同品は、新たに粒子径の測定精度保証を業界最小クラスの20nm(従来30nm)と高精度な測定を実現した。ナノ領域の微小材料の実用化が進む化粧品や触媒、二次電池などの分野で、製品特性を左右する粒子の大きさや分布を測定して均一性をするもの。品質管理体制の強化につながり、ナノ物質を応用した新技術の実用化や競争力の向上に役立つという。

 同品の測定方式の特長は、他の粒子径分布測定原理や方式と比較して、極めて広い粒径範囲で測定できること。また試料の状態が粉体のものだけでなく、液中に分散しているもの、サンプル量が少なく粒子同士がくっつきやすいものなど、試料の特性に応じた測定が可能。また、10nmから5mm(例えば、1口サイズのキャラメルからスカイツリーの高さを測定するイメージ)と、同方式の測定装置ではワイドレンジに拡張した。また、解析ソフトを新たに開発したことで、粒径の20nmから±0.6%と高精度測定を実現し、わずか1分で測定が完了する。業界に先駆けナノ領域での高精度な測定技術を開発することで、従来は他の方式の装置を併用して測定していた粒子径分布を、この新製品1台で正確・短時間・簡単に測定できるという。

 各種の工業プロセスで取り扱う粒子の大きさは、製品の機能性を決定づける大切な要素の一つになる。粒子径分布測定装置はセラミックスや顔料、燃料電池、触媒、化粧品、食品、製薬など、「粉・パウダー」を原材料とする分野で研究開発から品質管理の現場で使われている。

 たとえば、化粧品ではUVカット、アンチエイジング、美肌ファンデーションなど、美を追求する高機能商品が開発されている。これらの製品の品質検査において、機能性が保証されているかをチェックする指標として粒子径分布測定が利用されている。特に、高付加価値につながるナノ領域の微小新素材は機能性に大きく影響するため、正確に粒子を測定する高い技術が求められていた。