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NTN、次世代EV用マルチドライビング・システムを開発

NTN「Q’moII」NTN「Q’moII」 NTNは、同社の小型インホイールモータ(IWM)システムに、新たに開発したステアリングシステムを組み合わせた次世代電気自動車(EV)用「マルチドライビング・システム(MDS)」を開発した。

 IWMシステムは、モータと減速機を一体化してホイール内側に配置することで、モータの駆動力をタイヤに直接伝達する高い効率性と、車両レイアウトの自由度向上、室内空間の拡大、車両の軽量化などを実現する。また、ドライブシャフトが不要になるため、車輪を真横に転舵した状態でも駆動が可能。

 同社は、このようなIWMの特長を実証するため、4輪すべてにIWMと転舵アクチュエータを組み込んだコンセプトカー「Q’mo」を2011年に試作。今回は、「Q’mo」の特徴的な走行を継承しながら実用性を高め、市街地走行を可能にする新しいステアリングシステムを搭載した「MDS」を開発、その機能を実証するため、二人乗りEVコミュータ「Q’moII」を製作した。

 新たに開発した「MDS」は、左右輪を一つのステアリング装置で転舵する。4輪すべてを“その場回転”や“横方向移動”に必要な角度へ転舵することと、安全に走行するためのステアリング部材の充分な強度と安全性を両立している。また、サスペンションとの適合性を改善することで、車両の低重心化も達成し、時速60kmでの通常走行を実現した。