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日立化成、次世代の半導体実装材料技術開発のための先端実装技術センター

 日立化成は、次世代の半導体実装材料技術の強化を主目的とし、筑波総合研究所(茨城県つくば市)内の先端実装技術センター(実装センター)のクリーンルームを拡張し、実装・評価設備を増設した。

 特に今回は新しいアプローチとして、増設した実装・評価設備をオープン・ラボとして運用する。これにより、半導体実装材料の研究・開発の促進と顧客の評価期間短縮を可能とし、先端パッケージ開発の迅速な立ち上げを実現する。

 同社は、1994年より半導体実装材料の評価・解析を自社で行い顧客に開発提案を行うことを目的とした実装センターを設立し、各種パッケージ向けの半導体実装材料開発を促進してきた。

 近年、情報端末電子機器の急激な普及に伴い、半導体パッケージは高速化・高集積化・小型化が進んでおり、2.5D(シリコンインターポーザ)、3D(TSV:Through Silicon Via)等では構造がより複雑化している。

 また、製品サイクルが短くなっていることから、新規なパッケージ開発を短期間で実現するには、新規な半導体実装材料をよりタイムリーに提供することが重要になっている。この傾向は今後加速すると見た同社は、実装材料のタイムリーな提案のみにとどまらず、最先端実装技術の開発から実装プロセスまでを含めた顧客目線での総合的なソリューションの提案をスピーディに行うことを目標とし、実装材料の評価・解析体制を強化することとした。強化ポイントは以下のとおり。


  1. 実装センターのクリーンルームを拡張し、300mmウェハに対応可能な最先端実装・評価設備を大幅に拡充
     今後の新しい実装方式を含めた各種先端パッケージの実装・評価が可能となる。同社は、前工程材料(CMPスラリー、バッファーコート材、他)と後工程材料(ダイボンディングフィルム、封止材、配線板材料、他)双方の製品技術を有していることから、これら技術の活用により、半導体パッケージに関連する多様な半導体実装材料のさらなる特性向上や、今後の実装方式に対応する新規な材料開発を促進する。

  2. オープン・ラボ化により顧客との連携を強化し、先端パッケージの迅速な立ち上げに貢献
     同施設をオープン・ラボとして運営することにより、顧客と一体となった半導体実装材料の評価・解析が可能となる。同社が保有するテストパッケージはもとより、顧客のパッケージでの実装・評価も可能であり、先端パッケージの早期実現に向けた最適な材料・プロセスのタイムリーな構築が可能となる。



 また、日立化成は、IMEC(Interuniversity Microelectronics Centre : Belgium) 3D System Integration Programへの参画を継続することにより、2.5D、3D等の次世代パッケージ用新規材料の開発も促進する。