JFEスチール、成形時の重量・寸法安定性に優れた鉄粉を開発

難成形部品例:シンクロハブ(変速機部品)難成形部品例:シンクロハブ(変速機部品) JFEスチールは、成形時の重量・寸法安定性に優れた焼結機械部品用鉄粉「JIPクリーンミックスZERO」を開発した。

 鉄系焼結機械部品は、形状の自由度を生かし、エンジン部品などの自動車部品を中心に適用されている。これらの部品は、金型に鉄粉末を充填し、プレス成形した後に高温で焼結することで製造されるが、プレス成形の開始時あるいは一時停止後の再開時に、粉末の充填密度が変動し、成形体の重量および寸法が変動するという課題があった。

 今回開発した鉄粉は、粉末の充填性を高めることで焼結部品の重量や寸法安定性を向上させることができる。粉末の構成要素である鉄粉粒子や合金化成分粉末粒子などの粒子間の引力(付着力)を低減させることによって、粉末の流動性を高め、金型充填性を向上させる。

 同品を使用することで、プレス停止、再開後の不連続な重量変動が従来の半分程度に低減できる。これにより、成形時の歩留まりを向上させることができる。また、成形時の条件設定が容易になり、試し成形の回数を減らすことが可能になる。さらに、従来よりも狭い空間への充填が容易になることから従来では困難であった難成形部品の製造が可能になる。このほか、従来は流動性を高めるために混合させていた金属石鹸が不要となるため、焼結体表面に付着する金属石鹸起因の煤や染みを除去するための洗浄や研削の工程が省略ができる。