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新日鐵住金など、商用水素ステーションの配管や継手などに使用できる高圧水素用ステンレス鋼

新日鐵住金「左がSUS316L、右2本がHRX19」 新日鐵住金と日鉄住金ステンレス鋼管は、商用水素ステーションの高圧水素環境下における配管や継手・バルブなどに使用される高圧水素用ステンレス鋼「HRX19」を開発、製造・販売を開始した。同品は、新日鉄住金が開発した高強度オーステナイトステンレス鋼であり、素材から最終製品まで一貫した品質保証体制のもとで製造している。

 同品は、Ni添加量を既存材のSUS316Lレベルに抑えつつ、Niと比較して安価な元素であるMn添加量やCr添加量を適正化することでオーステナイト系ステンレス鋼では最高レベルの耐水素脆性を実現した。これにより水素ステーション配管の長寿命化および安全性向上を実現している。

 また、既存材のSUS316Lに比べ、約2倍の強度を有しているという。したがって、高圧水素環境下でも薄肉化設計を実現し、配管内径の径大化による大容量、短時間水素充填を実現するステーション設計ができる。さらみ軽量化によるコスト削減メリットがあるという。

 これまで、既存材のSUS316Lは配管同士をネジで結合する施工法が一般的だったという。この施工法の場合、一つのステーションにおいて数百個の継手が必要となり、施工工数がかかる。それに対して、同品は優れた溶接性を有しており、溶接施工法を適用可能。これにより、施工およびメンテナンスコストの削減に対しても効果があるという。