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凸版印刷、プリンテッドエレクトロニクス技術によるフレキシブルTFTを開発

 凸版印刷は、省エネルギー、軽量、フレキシブル性が実現可能なプリンテッドエレクトロニクス技術によるTFT(薄膜状に加工された電界効果型トランジスタ:Thin Film Transistor)を開発した。さらに、このTFTを用いて同社は、薄く・軽く・曲がるフレキシブル電子ペーパーを開発するとともにカラーフィルタ技術を適用し、部分的なカラー化を可能にしたレール型電子棚札(ESL、電子棚札:Electronic Shelf Label))を実現した。今後、これらの技術をスーパーマーケットなどの商品棚に使われる価格表示システムに適用し、見やすさと超低消費電力を両立したレール型電子棚札の実用化を目指す。なお、今回の成果はNEDOプロジェクトの一環。

部分的なカラー化を実現した「レール型電子棚札(ESL)」部分的なカラー化を実現した「レール型電子棚札(ESL)」

 今回開発したフレキシブル電子ペーパーは、全印刷型フレキシブルTFTとE Ink電子ペーパー前面板を組み合わせることで実現している。従来困難であった全印刷型フレキシブルTFTは、有機半導体材料、導電性材料、絶縁性材料などを積層する印刷プロセスの確立により可能となった。プラスチック基板上に印刷プロセスでTFTを形成するためには、これらの材料に適した印刷方法を使い分ける必要があり、複数の層を精度良く位置合わせすることが重要。同社が強みを有する印刷テクノロジーを駆使することで、これらの課題を解決し、全印刷型フレキシブルTFTを実現した。

 同社は、このTFTを用いて薄く・軽く・曲がるフレキシブル電子ペーパーを開発し、レール型ESLに適用した。さらにカラーフィルタ技術を適用し、部分的なカラー表示を可能としたレール型ESLを世界で初めて開発した。

 レール型ESLは、薄く、軽く、割れないプラスチック基材を用いるため、割れずに安全であり、また湾曲表示が可能であるため、どこからも見やすいという特長がある。今後、同社では、これらの技術をスーパーマーケットなどの商品棚に使われる価格表示システムに適用し、見やすさと超低消費電力を両立したレール型電子棚札の2017年度の実用化を目指す。