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内閣府と山形大学・古川研究室、やわらか3Dものづくりアイデアソンを開催

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 内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)革新的設計生産技術は12月9日、山形県米沢市の山形大学 米沢キャンパス11号館で、「やわらか3Dアイデアソン 東日本大会」を開催した。本アイデアソン(特定のテーマについて多様性のあるメンバーが集まり、対話を通じて新たなアイデアの創出やビジネスモデルなどの構築を図る形式のワークショップ)は、ゲルやラバーといったソフトマターの3D造形技術を活用した製品・サービスの創出を狙ったもの。

18121801やわらか3Dやわらか3Dアイデアソン参加者

 開会挨拶では内閣府の龍 政彦氏が、内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)11プログラムの一つ、「革新的設計生産技術」はラバーやゲルなどを使った3D造形をテーマに、新しいアイデアを考えてもらうイベントとして期待したい、と述べた。

18121802やわらか3D龍氏

 続いて、SIP革新的設計生産技術担当 プログラムディレクター(PD)の佐々木直哉氏がSIP革新的設計生産技術プログラムについて、社会の多様なニーズに応じた高付加価値製品の創生による産業競争力の強化、地方創生に向けて、従来にない材料の3D造形、機能性付加といった革新的生産・製造技術を中心に推進し産業界に展開していくといった活動内容を紹介した。幅広い企業にゲルやラバーなどソフトマターの魅力を知ってもらい、これまで想定しなかった使い方を通じ、従来にない価値を持つデライトな製品や部材、サービスが創出されることを期待する、と語った。

18121803やわらか3D佐々木氏

 さらに、本年4月に、3Dプリンターを使って新産業や革新的技術の創出を目指した連携組織として設立された「やわらか3D共創コンソーシアム」の会長を務める山形大学・古川英光氏から、一般的なゲルのイメージとはかけ離れたDN(ダブルネットワーク)ゲルなど高強度・低摩擦ゲルなどの紹介や、地域と連携してゲルを3D造形してデライトなビジネスを創出した例や、兵庫県立大学でラバーを3D造形して靴のソールなどテーラーメードラバー製品を創出する試みなどの紹介を行った。

18121804やわらか3D古川氏

 続いて、こうした事例を踏まえつつ古川氏より、固定観念にとらわれずゲルやラバーといったソフトマターの3D造形技術を活用した製品・サービスの創出に向けたアイデアソンのテーマが伝えられた。

 ゲルプリンターとラバープリンターが自宅や街中でいつでも利用できるという前提のもと、「雪:冬を楽しむ新たな方法」をテーマに、8チームに分かれた参加者が、3D造形を用いた、ラバー単体、ゲル単体、ラバー/ゲルの融合・組み合わせ、のいずれかによって、「モノ・サービスを通じた“デライトなコトづくり”」について自由にアイデアを出し合い、チームとしてのビジネスモデルを提案した。

18121805やわらか3Dワークショップのようす

 審査委員によって選定された入賞作品は、以下のとおり。

・チームA「デライト未来のゲル社会」…ゲルを使った球体の車を提案。衝突しても安全で、車体は雪の量や温度で変わる。また、ゲルを使った長靴では、水で色が変わったり、絵が浮き上がるといったカラフルな特性を発現できるうれしさを提案した。

・チームF「雪国の冬景色をデライト」…ゲルによる吸水機能によって雪が積もらない屋根や、結露を防止できたり耐衝撃性に優れつつ光透過性の良好なゲルを使った自動車のフロントガラス、雪の日に歩いても楽しい視界が良好なゲル製のメガネや軽快な動きを実現する長靴などを提案した。

・チームH「毎日を簡単に楽しむディライト(day light)システム」…たとえば雪で通行止めになりがちな橋の表面をラバーシートにしつつ、圧電素子のような機能を持たせることで車が通った際のタイヤとの摩擦熱や雪の重みなどで発熱し、自己融雪するシステムや、スコップの持ち手などに使う人の手にフィットするラバーを使用して雪かきを楽に行えるスコップなどを提案した。

 なお、上記入賞作品3件から後日、優秀賞1件が選定。優秀賞は2019年1月30日~2月1日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2019」で内閣府から表彰を受ける予定。