メインコンテンツに移動

NTN、CTスキャナ・ガントリ用低振動軸受を開発

 NTN(Tel.03-5487-2815、 http://www.ntn.co.jp )は、CTスキャナ・ガントリ振動の大幅抑制を目的に、ダイナミックダンパーを内蔵した「CTスキャナ用低振動軸受」を開発した。

 NTNでは、従来から医療用CTスキャナ・ガントリ用軸受を国内外のユーザーに量産納入している。この軸受は、今後の高齢化社会やBRICs諸国の発展に伴う需要拡大と共に、医療の充実によってこれまでの大学病院や大病院/医療機関だけでなく中小病院や個人医院への普及が進むことから、より一層の需要拡大が見込まれている。

 一方、CTスキャナは病院床に設置するため、装置の寸法・重量が制約されるため、今後は高機能化だけでなく、さらなる軽量・コンパクト化が必要とされている。しかし、CTスキャナはガントリと呼ばれるX線管球や検出器などの撮影機器を含めた回転体を軸受・フレームで支持するため、フレームの軽量化・簡素化は振動(共振)の増大を引き起こし、撮影精度に影響を与える。

 NTNでは、このガントリ振動の抑制を目的に、軸受にダイナミックダンパーを内蔵した「CTスキャナ用低振動軸受」を開発、ガントリ振動を従来比約1/2に抑制した。また、ダイナミックダンパーは軸受に内蔵するため軸受寸法は従来品と変わらず、ガントリ側の新たなスペースの確保は不要。

 用途は、医療機器や空港荷物検査機や産業機械用(検査装置)のCTスキャナ・ガントリ支持部で、NTNではCTスキャナ・ガントリ用軸受の販売高として、2010年には10億円/年を目指す。 

※ガントリ:X線CT装置の検査部。固定フレームと回転部に大別され、回転部はX線管球と検出器を対向させて搭載し、患者の回りを回転する