三菱重、300mm対応の3次元集積化LSI用常温ウェーハ接合装置を開発

 三菱重工業( http://www.mhi.co.jp )は、3次元集積化LSI(大規模集積回路)が製造できる300mm(12インチ)対応の全自動常温ウェーハ接合装置「BOND MEISTER MWB-12-ST」を開発し、初号機を産業技術総合研究所(産総研)に納入したと発表した。LSI用で主流サイズとなった300mmの大口径ウェーハを立体的に積層できる常温接合装置の製品化は世界初だという。加熱による劣化がなく生産性も高い利点を活かし、微細化の限界にあるLSIの大容量化や高性能化、低コスト化に貢献していく。

 同装置は、接合面を活性化するための照射ビーム源として、FAB(Fast Atom Beam)ガンを搭載している。FABガンから照射されるアルゴンの中性原子ビームは、アルゴンイオンビームが照射されるイオンガンに比べ、1粒子当たりのエネルギーが約20倍と高く、常温接合の妨げとなる金属表面を覆った酸化膜も強力に除去できる。接合時の加重は最大20トン。また、300mmウェーハ5枚を連続的に接合できるほか、ウェーハの搬送、アライメント(接合するウェーハ同士の位置合わせ)もすべて自動で行える。さらに、接合ウェーハに対して、あらかじめ接合条件を個別設定できるため、多品種少量生産も容易。

 常温ウェーハ接合装置は、イオンビームや原子ビームを真空中で材料表面に照射することにより接合面を活性化し、従来は加熱して接合していたシリコンなどの原子同士を室温で接合する装置。熱ストレスやひずみを排除して、強固で信頼性の高い結合を作り出すことができる。加熱・冷却時間を省けることに加え、アライメントの自動化による大幅な工程の短縮と高い歩留まりで、デバイス製造コストの低減を実現する。

 同社では2006年に販売を始め、これまで200mm対応の3次元集積化LSI用まで製品群を拡充。MEMS製造分野の需要に幅広く応えられる体制を整えてきた。今回、ICチップの低コスト大量生産につながる300mmウェーハに対応した機種を加えたことで、需要が多く価格競争も激しいメモリーやMPU(超小型演算装置)の製造ニーズにも対応できるようになった。