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東芝、CO2分離・回収技術のパイロットプラントを建設

 東芝( http://www.toshiba.co.jp )は、火力発電所などから排出される二酸化炭素(CO2)を分離・回収し、地中等に貯留する技術「CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)技術」の実用化を加速するため、福岡県大牟田市にある株式会社シグマパワー有明 三川発電所内にCO2分離・回収パイロットプラントを設置する。パイロットプラント建設は、来年春に着工、同年8月頃から実排出ガスを使った実証試験を開始する予定。

 CCSは大別してCO2の分離・回収と貯留の二つのプロセスから構成されるが、今回東芝が進めているのは、CO2分離・回収技術の開発。このシステムの実用化に向けた技術課題として、いかに発電所の経済性を損ねずにCO2を分離・回収するシステムを構築するかが求められており、東芝ではこれまでの基礎研究を通してCO2の分離・回収過程でエネルギー消費が少ないアミン系吸収液の開発に成功している。

 今回三川発電所内に建設するパイロットプラントは、CO2回収量が10t/日規模のもので、石炭火力発電プラントのボイラー排ガスの一部を利用して、システムの性能を実証するとともに、火力発電プラント排ガス中のSOxなどの含有物がシステムに及ぼす影響、タービンなど他の発電システム機器との統合とその運用ノウハウなども含め、今後の大型発電プラント向けシステムの設計に必要な検証を行う。

 東芝ではパイロットプラントでの実証試験と並行して、現在、国内外で複数計画されている実規模の実証プラントへの参画を目指しています。今後、2015年頃にも全世界の火力発電市場においてニーズが高まると見られる商用CCSシステムに対応できるよう研究開発を一層加速し、当分野における事業の確立を進める。

 火力発電は世界の全発電量のおよそ2/3を占め、将来にわたり電力の安定供給に重要な役割を果たすと見込まれる一方、火力発電の過半が埋蔵量の豊富な石炭を燃料としているが、石炭は天然ガスなどの他の化石燃料と比較して発電量あたりのCO2排出量が大きいため、環境対策が強く望まれている。また現在、特に欧州を中心に、地球温暖化防止の観点から、新設火力発電所のCO2排出上限値の規制化が検討されており、火力発電所にCCSを併設する動きが今後加速していくと見られている。