不二越など、ZnO膜を成膜可能な透明導電膜成膜装置を開発

不二越「Z-TOPS」 不二越( http://www.nachi-fujikoshi.co.jp )とヘンミ計算尺( http://www.hemmi-inc.co.jp )の両社は、それぞれが強みとするコーティング技術、流体制御技術を融合し、タッチパネルや有機ELディスプレイ、太陽電池等に使用される酸化物系の透明導電膜成膜装置「Z-TOPS(ズィートップス)」を協同開発した。これにより、需要が拡大する透明導電膜市場において、高性能な酸化膜として安定供給を図る。両社で連係を行い需要開拓にとり組み、2011年度10億円、2013年30億円の売上を目指す。

 タブレット型PCや携帯電話へのタッチパネルの普及により、低抵抗で平滑な透明導電膜の需要が、近年大きく伸長している。また、有機EL照明や電子ペーパーなど新しい市場の立ち上がりを受けて、今後、一段の需要拡大が期待されている。

 また、従来のスパッタ方式による成膜は、原料にイオンを衝突させ、付着・成膜する方法のため、導電膜表面にノジュールと呼ばれる突起の発生など欠陥が生じやすく、特殊熱処理による結晶化(アニール)処理を行う必要があることに加え、EL発光の不均一化や歩留が低下するおそれがあるという。両社では、これら課題に対応する成膜装置として同装置を販売する。

 主な特徴は以下のとおり。

  1. 従来のITO(インジウムスズ酸化物)膜に加え、ZnO(酸化亜鉛)膜の成膜を可能にした。
  2. 成膜方法にイオンプレーティング方式を採用。イオン発生装置にはコーティングで実績の高い大電流の圧力勾配型電子銃を用い、ノジュールのない平滑なZnO膜を、低温で高速に成膜することが可能になった。これにより、成膜前後のアニール処理が不要となるとともに、高品位で低抵抗の透明導電膜を安定的に供給する。
  3. 安価なZnO膜への切換に加え、成膜工程の高速化、工程省略、歩留向上を可能にすることにより、透明導電膜の大幅なコストダウンを実現。

形成したZnO膜とITO膜の比較形成したZnO膜の表面の粗さはITO膜の9分の1