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ダイハツ、ピストンリングの低張力化などで燃費30km/Lを実現する技術

 ダイハツ工業( http://www.daihatsu.co.jp )は、JC08モードで燃費30km/Lを実現する低燃費技術「e:Sテクノロジー(Energy Saving Technology)」を開発した。

 同技術では、主に1.パワートレーンの進化、2.車両の進化、3.エネルギーマネジメントと三つの既存技術に対して、あらゆる面から徹底的なブレークスルーを行なうことで、エネルギー効率を最大化し、約40%の燃費向上を実現した。

 1のパワートレーンの進化では、圧縮比を10.8から11.3に向上させることやインジェクター噴霧微粒化など8項目にわたる改善を積み重ね燃焼効率を向上した。また、チェーン幅細化による張力低減やピストンリングの低張力化、オイルシールの見直しなど、11項目にわたる改善を積み重ねメカニカルロスを極限まで低減。さらに、軽量な樹脂製電子スロットルボディを採用。電子スロットルによるエンジンとCVTの協調制御を速度域に応じて緻密に制御することにより、CVTがあらゆる変速比であっても最も効率の良い状態に維持できるようにした。

 2の車両の進化では、安全性や快適な乗り心地に必要なボディ剛性の維持を前提とした、シェルボディの骨格合理化により、全長を短縮することなく約30kgの軽量化を実現した。また、バンパーの開口部やエアクリーナーダクトの最適配置、さらには導風経路を改善することで、エンジンへの吸気温を低減する熱マネジメントを採用。吸気の体積膨張による吸気量の減少を抑えて、エンジンの燃焼効率を向上させた。

 3のエネルギーマネジメントでは、CVT車としては世界で初めて停車前にアイドリングストップができる機能「eco-IDLE」を開発した。これによりブレーキをかけ、車速が7km/時以下になるとエンジンを停止し、アイドリングストップ時間を増加することで、さらに燃費を向上させる。さらに、減速時の運動エネルギーを最大限活用する「エコ発電制御(減速エネルギー回生機能付)」そ進化させ、減速時のオルタネーターの発電量を増加させるとともに、バッテリーの受入性を向上させ蓄電量を増加することで、通常・加速走行時のオルタネーターによる発電を大幅に抑制し、エンジンの負荷を低減した。

 同技術は、本年9月発売予定の新型軽自動車にこの技術を搭載することで、ガソリン車で燃費30km/Lを達成する見込みである。新型軽自動車は低燃費、省資源かつ、入口価格80万円を切る設定で、誰もが乗れる「第3のエコカー」として提案する。