NEDO、ナノ炭素材料の実用化を加速で助成事業と委託事業を新たに開始

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、これまでの単層カーボンナノチューブに加え、ナノ炭素材料全般の実用化を加速するため、助成事業と委託事業を新たに開始する。

 ナノ炭素材料は、軽量かつ電気や熱の伝導性が極めて高いなど、多くの優れた特性を有しており、既存材料と混合することで、今までにない革新的な材料を生み出すことが期待されている。この革新的なナノ炭素材料を開発するとともに、安全性・分散体評価技術を開発することで、産業界における実用化の加速を目指し、研究開発を実施する。新しい事業は2014年度から2016年度の3年間。

 カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のナノ炭素材料は、非常に軽量であることから構造部材への応用が期待されるとともに、電気や熱の伝導率が高いことから、放熱部材への応用や、導電性材料への応用で、省エネルギー効果を高めることが期待できる。

 今回のプロジェクトでは、これらナノ炭素材料について、高耐熱複合部材、フレキシブル薄膜、高電子移動度半導体デバイス等実用化を加速するための研究開発を実施する。さらに、安全性、分散体評価技術を共通基盤技術として開発し、試料提供、技術移転等を通じて、実用化を目指す企業をサポートする。

プロジェクト概要

 プロジェクトのうち、研究開発項目の「ナノ炭素材料の実用化技術開発」を助成事業として新たに開始する。この研究開発項目では、ナノ炭素材料の実用化を加速するため、ナノ炭素材料透明導電膜やナノ炭素材料高耐熱複合部材の開発等を実施する。テーマ名、助成予定先は以下のとおり。

「半導体型単層カーボンナノチューブ 半導体ポリマー複合体トランジスタの開発」東レ
「イオンを用いない金属型・半導体型CNT分離の実用化技術開発」日本電気
「フラーレン類生産性向上技術開発と実証試験」昭和電工
「CNT透明導電膜の開発」東レ
「グラファイト/グラフェンパウダーを活用した機能性複合材料の実用化」パナソニック
「ナノ炭素材料軽量導線の開発」帝人
「界面化学制御によるCNT複合材料のイノベーションと実用化」日信工業
「高熱伝導高分子複合材料(放熱材料)の開発」日本ゼオン
「高効率CNT合成技術の開発」日本ゼオン
「ウェーハ状大面積グラフェンを活用したテラヘルツ帯デバイスの実用化」住友電気工業
「カーボンナノチューブによるCFRP製スポーツ用品の研究開発」美津濃
「カーボンナノチューブ超高分散材料の大量生産技術の開発」GSIクレオス
「高濃度カーボンナノチューブ分散液の作製及び量産化技術の構築」KJ特殊紙
「酸化グラフェン大量生産技術の確立」日本触媒
「メタン直接改質法によるLIBマリモ状多層CNT-Si系負極材料の開発及び事業化」戸田工業
「nano-G(爆轟ナノグラファイト)応用製品の実用化」神戸製鋼所

 また、プロジェクトのうち、研究開発項目「ナノ炭素材料の応用基盤技術開発」の一部を委託事業として新たに開始する。具体的には、①「ナノ炭素材料及びその応用製品の排出・暴露評価技術の確立」、②「ナノ炭素材料の分散体評価技術の開発」、③「ナノ炭素材料の革新的応用材料開発」、 ④「ナノ炭素材料の革新的薄膜形成技術開発」で、すべての研究開発項目に単層CNT融合新材料研究開発機構、②に山形大学、③にスペースリンクが採択予定先となっている。