IMC、高齢船舶の延命対策に超音波ピーニング実施

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 アイ・エイチ・アイ・マリン(IMC、 http://www.ihi.co.jp/imc )は、高齢船舶の延命対策として「超音波ピーニング」施工を受注、工事を実施した。

 超音波ピーニングとは、超音波振動によりピンを連続的に溶接部に打ち付けることにより、該当部の疲労強度を改善する技術。以下の3つの要因により疲労強度が改善されると考えられている。

  1. 疲労強度に有利な圧縮残留応力が導入される。
  2. ピン先端のR形状が転写されることにより溶接止端形状が改善される。
  3. 表面金属組織が微細化する。

 この技術を、年月を経た就航船に適用する場合、それまでに受けてきた荷重変動の履歴による金属疲労の蓄積を一旦リセットし、疲労強度上は新造時の強度レベルまで戻すことができることから、非常に大きな延命効果を発揮する。

 従来、就航船において亀裂損傷が生じた場合、再溶接あるいは部材の部分的切替が必要となるほか、火気工事となるため施工できる場所が限られるなど、多くの問題があった。今回採用した超音波ピーニングは、損傷発生の可能性が高い箇所に、火気を使わず短時間で亀裂損傷に対する予防処置ができる方法。

 今回施工した案件では、同社にて実船モデルを用いた高度な構造解析を実施することにより、疲労強度上比較的余裕の少ない箇所を選定し、数百箇所の溶接継手部に超音波ピーニングを施工した。これにより、抜本的な安全性の向上と今後のメンテナンス費用の削減が見込まれている。

アイ・エイチ・アイ・マリン「超音波ピーニング」