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産総研など、高温溶融した光ディスクの記録材料の屈折率測定に成功

産総研などが開発した屈折率測定装置産総研などが開発した屈折率測定装置 産業技術総合研究所( http://www.aist.go.jp )は、サーモ理工( http://www.kagaku.com/thermo )とジェー・エー・ウーラム・ジャパン( http://www.kagaku.com/woollam )、東京工業大学( http://www.titech.ac.jp )と共同で、高温溶融材料の屈折率を簡便に測定する装置を開発した。

 この装置は、サーモ理工社の赤外線加熱技術、ウーラム社の分光エリプソメーター技術、産総研と東工大による高温溶融材料の封じ込め技術を融合して開発したもので、従来の装置に比べて簡便に高温溶融材料の屈折率を測定できる。これにより、光情報デバイスの開発や金属精錬プロセスの精密制御への貢献が期待される。

 材料の高温溶融状態は、材料の精製プロセスや光ディスクの記録・再生プロセスで生じる液体状態である。材料の精製には、高温で溶融するというプロセスが使われることが多く、光ディスク、特に書換型光ディスクでは、記録・再生の際、薄膜を構成する材料をレーザー光の照射で溶融、急冷するといったプロセスが欠かせない。従って、高温での材料のさまざまな評価は、プロセスを効率よく制御するためや製品の構造設計に必要不可欠なものである。

 この評価の重要なものの1つとして屈折率の評価がある。精錬プロセスでは放射温度計の校正のため、光ディスクではレーザー光にどのように応答するかを決定するために屈折率の値が必要である。しかし、高温で溶融した材料の屈折率を測定することはとても難しいという。高温のため測定の調整をする際に材料に触れられないこと、高温により材料が蒸発すること、材料と大気が反応してしまうこと、などの理由からである。そのため、特定の材料について、非常に特殊な装置で十分に熟練した人が測定するという非常に限定された条件の測定しかできなかった。

 今回の装置開発により、光ディスクの記録材料について、高温で溶融した状態の屈折率測定に成功した。

 今後は、装置を小型化すると共により使いやすくして、2年後の実用化を目指す。誰もが容易に測定できる装置として、ウーラム社より国内外の金属精錬メーカーや光ディスクメーカーへの提供を予定している。一方、高温溶融状態での材料の屈折率測定を進め、理論的な計算(第一原理計算)を併用し、屈折率の変化を物理的な面からも解析する予定である。