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産総研、25W/mKの熱伝導率をもつ単層CNT/CF/ゴム複合材料を開発

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産総研が作製したA4サイズの単層CNT/CF/ゴム複合材料産総研が作製したA4サイズの単層CNT/CF/ゴム複合材料 産業技術総合研究所( http://www.aist.go.jp )は、高純度の単層カーボンナノチューブ(単層CNT)とピッチ系の炭素繊維(CF)をゴム中に分散させることにより、金属チタンに匹敵する25W/mKの熱伝導率をもつ単層CNT/CF/ゴム複合材料を開発した。

 集積化に伴うエレクトロニクスデバイスの温度上昇への対応として、金属製の放熱材料とデバイス(熱源)の間を埋める柔らかい高熱伝導性材料(TIM:Thermal Interface Material)には大きな需要がある。今回、スーパーグロース法で合成した高純度の単層CNTとCFをゴムに分散させ、その量を約20%と従来の熱伝導性複合材料に比べ低く抑えながら、25W/mKという高い熱伝導率性の発現に成功した。単層CNTとCFの量が少ないため、ゴム本来のフレキシブル性を失わず、自在に曲げることができる。

 今後は、高純度単層CNTと熱伝導性CFやそれ以外の炭素材料・金属材料との複合化により、さらなるTIMの開発を進め、最終的に100W/mK以上の熱伝導率をもつ材料の開発を目指す。また、パートナー企業を募集することにより、実用化につなげていく予定である。