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大同特殊鋼、機能性金属粉末の製造ライン増設し生産能力を5割増強

 大同特殊鋼は、スマートフォン等の多機能携帯端末、ハイブリッド自動車や電機・電子分野の市場拡大を受け、約10億円を投じ、機能性金属粉末の新製造ラインを粉末工場(名古屋市港区)に増設し、年間生産能力を現在の約1.5倍の1万5千トンに増強する。

 金属粉末は、耐食性・耐熱性・耐摩耗性等が必要な機能部品の原材料で粉末冶金用として用いられており、その市場は2年間で約15%拡大しているという。特に、携帯端末用、車載用などの電子部品に搭載されるインダクタ(携帯端末をはじめとする電子機器の電源回路などで、電圧を変換する、電圧変動を抑制する、ノイズを抑制する部品)や、ハイブリッド自動車・太陽光発電のリアクトル(主な機能はインダクタと同じ。インダクタは小型の部品、リアクトルは大電流用途に使用される大型の電圧変換部品)などの分野は高い市場成長率が見込まれており、その原材料である機能性金属粉末の需要も大きく高まっている。

 インダクタには、従来はソフトフェライト(酸化鉄を主成分とする軟磁性材料)などが主に使用されてきたが、部品の小型化・大電流化といったニーズに対応可能な金属粉末に置き換わってきており、さらに市場の拡大が見込まれている。

 この市場拡大に対応すべく、同社は合金成分の選定、粉末形状・分布・粒径の制御された機能性金属粉末の開発を進めている。新製造ライン増設後は、多様化するニーズに対応し、従来の粉末冶金分野(自動車構造部品等)のみならず、ハイブリッド自動車、電気自動車や電機・電子分野への拡販にも注力し、粉末事業全体の2014年度の売上高は90億円を計画している。

機能性金属粉末の製造プロセス機能性金属粉末の製造プロセス