メインコンテンツに移動

日立金属、米で医療用チューブや同成形金型を製造・販売する企業を子会社化

 日立金属は、電線材料事業における医療分野の強化とグローバルな中長期的成長を目的として、米国において医療用チューブ等事業を展開するHTP-Meds, LLC (以下「HTP-Meds社」) およびHi Tech Machine and Fabrication, LLC (以下、「HTMF社」)の全株式を、子会社の米州地域統括会社Hitachi Metals America, LLC(以下、「HMA社」)が取得することで、HTP-Meds社およびHTMF社の株主と合意し株式譲渡契約を締結した。

 これにより日立金属は、電線材料事業の成長ドライバの一つと位置づける医療分野において、電線・ケーブル技術と親和性が高く、成長性のある医療用チューブ事業を同社事業に加えるとともに、医療ビジネスの中核的な市場である北米において事業基盤を確保できる。

 今後同社は、株式を取得する2社と同社の相互の事業基盤、顧客基盤を生かして既存の医療用製品を強化・拡大する。また、それぞれの技術力を組み合わせた新しい製品を開発、展開することにより、医療用製品事業をグローバルに成長させる計画。

 同社の電線材料事業は、鉄道、医療、自動車用電装部品の3分野を成長ドライバと位置付けている。医療分野では、超極細合金線を用いた超音波診断装置用プローブケーブルで高いシェアを有している。しかし、事業を中長期的・持続的に成長させるためには、事業領域を拡大することに加え、医療ビジネスの中核的な市場であり、今後も高い成長ポテンシャルが期待できる北米において事業基盤を確立することが課題となっていた。そこで、電線・ケーブル技術と親和性が高く、市場の規模が大きく、高い成長性が期待できる医療用チューブにおいて、北米企業を買収することにした。

 今回株式を取得する2社はいずれも米国ロードアイランド州アシャウェイに所在しHTP-Meds社は医療用チューブを、HTMF社は医療用チューブ成形金型を製造・販売している。HTP-Meds社は、2005年の創業以来、カテーテルや人工透析などに用いられる医療用チューブにおいて優れた成形および加工技術を強みとし、米国を中心とした大手医療機器メーカーを顧客基盤として有している。

 今回の株式取得のシナジー効果として、2社の技術力・開発力と日立金属の生産技術力を併せ、医療用チューブ事業を拡大するとともに、2社の北米での顧客基盤と日立金属の有する医療分野の顧客基盤に対し、各々の製品を相互乗り入れすることにより医療用製品事業のグローバル展開を図る。さらに、電線・ケーブル技術とチューブ技術を複合した新しい製品を開発・展開する。