産総研など、レアアースを添加せずに窒化物で世界最高水準の圧電性能を実現

 産業技術総合研究所と村田製作所は共同で、高価な元素を使わずに窒化物として世界最高水準の性能をもつ圧電材料を開発した。

 圧電材料である窒化アルミニウム(AlN)は高いQ値を持つため、モバイル通信用のFBAR高周波フィルターに使用されているが、今後の通信方式の進化に向けて圧電性能の向上が求められている。レアアースの一つであるスカンジウム(Sc)を窒化アルミニウムに添加すると飛躍的に圧電性能が向上するが、スカンジウムは非常に高価であり、代替できる元素の探索が行われてきた。

 今回、窒化アルミニウムに安価なマグネシウム(Mg)とニオブ(Nb)を同時に添加することで、スカンジウム添加窒化アルミニウムと同等レベルの圧電性能を実現した。この性能は窒化物の圧電材料としては世界最高水準であり、レアアースを含まずに安価に製造できるため、次世代の高周波フィルターへの応用が期待される。また、膨大なセンサーが必要とされるIoTやスマートマニュファクチャリングなどのセンサーネットワークの実現に向けたキーデバイスとしての利用が考えられる。

産総研などが作製した圧電薄膜の断面の電子顕微鏡写真(左図)と結晶構造の模式図(右図)作製した圧電薄膜の断面の電子顕微鏡写真(左図)と結晶構造の模式図(右図)