ダイセル・エボニック、自動車向け複合成形部品の量産技術を展開

 独エボニックインダストリーズは、独自開発のプルプレス(PulPress)方式により、構造発泡体のロハセル(ROHACELL®)を用いて自動車向け複雑形状の複合成形部品を大量生産するための技術を確立した。設計の自由度を高めるとともに、既存の軽量構造生産方式と比べて最大60%のコスト削減を実現するほか、耐衝撃強度など機械的特性も保持できる。日本国内ではダイセル・エボニックが、自動車向けを中心にこの新製造プロセスを展開していく。

 自動車業界では、車両の軽量化による燃費向上(CO2排出量の削減)を目的に、複合材が注目されてきている。しかし複合材の生産方法は高価で複雑なことから、これまでラグジュアリークラスの車両に限定して使用されることが多かった。

 これに対しエボニックでは今回、圧縮成形と引抜成形という二つの生産技術を組み合わせた「プルプレス方式」を開発。複合部品の連続的な自動生産を可能にした。本プロセスでは、軽量で剛性の高い構造発泡体のロハセルがキーマテリアルとなる。航空機分野などの高機能構造のコアに用いられる発泡体で、複合部品形状の保持に優れ、高い耐熱性を持つ。樹脂を含浸させる前にコアの周りで繊維を織り込み、その後、部品としての形状になるように高温、高圧下で圧縮される。

 この新製造プロセスにより、従来の鋼鉄構造に比べ約75%軽量化した複合部品は優れた耐衝撃強度を保持。さらに新方式では、従来のレジンインジェクションなどの方式で製造される複合部品と比べて、最大60%のコスト削減を実現する。

 ダイセル・エボニックでは、5月24日~16日に横浜市のパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展横浜2017」に出展、構造発泡体ロハセルのプルプレス方式で作られた複合部品のサンプルを日本初公開する予定だ。
ロハセル構造発泡体ロハセルのプルプレス方式で作られた複合部品は、従来の鋼鉄構造部品よりも約75%軽量化されている