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トライボコーティング技術研究会、令和5年度第1回研究会・総会を開催

10ヶ月 ago
トライボコーティング技術研究会、令和5年度第1回研究会・総会を開催

 トライボコーティング技術研究会は6月2日、埼玉県和光市の理化学研究所で「令和5年度第1回研究会・総会」をリアルおよびオンラインによるハイブリッド形式で開催した。

研究会・総会のようす

 当日は、大森 整会長(理化学研究所)の開会挨拶に続いて総会が開催され、令和4年度活動報告・会計報告がなされた後、令和5年度活動計画が報告され可決・承認された。役員改選では、会長に大森 整 氏(理化学研究所 主任研究員)、副会長に熊谷 泰 氏(ナノコート・ティーエス社長)と野村博郎 氏(理化学研究所 大森素形材工学研究室 嘱託)がそれぞれ再任された。

再任された大森会長

 

議事進行を務める熊谷副会長

 総会後は、以下のとおり2件の講演がなされた。

・「モリブデンジチオカーバメイト由来中間物質による水素含有DLC膜の摩耗促進機構の解明」野老山貴行氏(名古屋大学)…DLC膜表面の表面増強ラマン分光法(SERS)を用いた測定を簡便に行うための手法として、金ナノ粒子塗布または金スパッタ法を比較。増強効果を得るために最適な波長の選択やラマンデータの検出深さについて明らかにした。金スパッタ法に比べ金ナノ粒子塗布法はラマンシグナルの検出深さに優位性があり、通常ラマン測定法に比べ金ナノ粒子塗布法を用いたSERS測定では最大強度が増加したほか、SERS測定における波長の影響を明らかにした結果、特に633nm波長の場合にIDピーク強度が高く摩擦に伴う結晶構造の変化を検出する際に分かりやすい結果が得られるものと推測した。そのほか、MoDTC由来の中間物質をそれぞれ純物質として添加したポリアルファオレフィン(PAO)油中における摩擦試験を行い、SERS測定を用いてDLC膜の摩耗促進機構(アブレシブ摩耗、水素脱離摩耗、炭素脱離摩耗)の解明を試みた。

野老山氏

・「ナノ表面分光の新展開」金 有洙氏(理化学研究所/東京大学)…太陽電池や有機ELなどのエネルギー変換デバイスでは、エネルギーが分子間を移動してデバイスの特性が現れるが、そのエネルギー移動を単分子レベルで計測することは、これまで不可能だった。金氏は金属表面に分子を載せ、走査型トンネル顕微鏡(STM)の探針からトンネル電流を流したり近接場光を発生させ電子を励起させる手法で、単分子の吸収分光に世界で初めて成功し、その分光技術を駆使してエネルギー移動を単分子レベルで計測することにも成功している。本手法により、分子をどのような配置や方向で並べればエネルギー移動の効率が高くなるかを調べることができるため、太陽電池や有機EL、光触媒などの効率を高める研究に利用されてきていることを報告した。

金氏

 

kat 2023年6月27日 (火曜日)
kat

いたばしキッズフェア2023 HITABASHIが7月9日に開催、出展企業を募集

10ヶ月 ago
いたばしキッズフェア2023 HITABASHIが7月9日に開催、出展企業を募集

 「板橋からヒット商品をつくる~いたばしキッズフェア2023 HITABASHI」(共催:東京青年会議所 板橋区委員会、東京商工会議所板橋支部、後援:板橋区、板橋区商店街連合会)が7月9日、教育科学館、常盤台地域センター、平和公園で開催される。参加予定者数は約2000名で、現在、出展企業を募集している。出展費は無料だが、出展企業に対し教育科学館(屋内)での商品の無償提供(サンプル等)への協力をお願いしている。

 いたばしキッズフェアは、いろいろな商品やサービス、さらに職業を体験することを通じて、子どもたちが板橋区の魅力をたくさん感じて、楽しい時間を過ごすことができるイベント。

 板橋区は産業の歴史が長く、さまざまなヒット商品を生み出してきた。「いたばしキッズフェア2023 HITABASHI」(事業名称:いたばし♥テラス)は、企業の商品をさらにヒットさせるために、板橋区民と板橋の企業とが関係を構築するイヘントで、区民と区内企業が板橋のことを考えて消費をする共同体を作ることを目的に掲げている。

 キッズフェア当日は物品協賛や職業体験で、もっとヒットするための市場調査を実施。新商品の開発コスト、マーケティングコストを削減できるほか、商品に触れ続けることで企業のコアなファンや販売パートナーの獲得にもつなげられる。

 出展企業にはイベント開催中だけではなく最大6ヵ月間のプロモーションをサポート。写真と文章の投稿を募集しSNSなどに掲載する。行政として観光振興課や区内報、大手企業のアカウントでも広告協力を実施予定。

 詳細・申し込みは以下のサイトで確認できる。
https://sites.google.com/view/itabashi-kidsfair2023/

 企業出展は以下から申し込みができる。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeECGsai6LdRD4vheBNp6TkHkNesO4F4tE_YODsPz8cYLLLGA/viewform

kat 2023年6月27日 (火曜日)
kat

メカニカル・サーフェス・テック2023年6月号 特集「金型の表面改質」キーテク特集「窒化処理」6月26日に発行!

10ヶ月 ago
メカニカル・サーフェス・テック2023年6月号 特集「金型の表面改質」キーテク特集「窒化処理」6月26日に発行!

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2023年6月号 特集「金型の表面改質」キーテク特集「窒化処理」が当社より6月26日に発行される。

 今回の特集「金型の表面改質」では、金型の硬質コーティングの最近の動向について、水素フリーDLC膜の金型への適用事例と最新の金型用ta-C膜技術について、AlCrN系厚膜コーティングの特性およびアルミダイカスト金型へ適用した事例について、FCVA成膜技術によるta-C膜の特徴と型分野での適用事例について紹介する。

 また、キーテク特集「窒化処理」においては、ガス窒化の相制御と複合処理について、環境に配慮した塩浴軟窒化処理の特徴について紹介する。

特集:金型の表面改質

◇金型の表面処理に関する硬質膜形成技術の最近の進展・・・岐阜大学 上坂 裕之

◇金型用DLCコーティングの最新技術と適用事例・・・日本アイ・ティ・エフ 瀬戸山 誠

◇ダイカスト金型用AlCrN系厚膜コーティングの開発・・・北熱 嶋村 公二

◇FCVA成膜技術によるta-C膜の金型分野への適用・・・㈱ナノフィルム テクノロジーズ ジャパン 川上 達哉氏に聞く

キーテク特集:窒化処理

◇ガス窒化の相制御と複合処理・・・オリエンタルエンヂニアリング 木立 徹

◇環境に配慮したトライボロジーソリューション:塩浴軟窒化処理(CLINプロセス)・・・HEF モントゥ・ヴァンサン

連載

注目技術:2022年度日本トライボロジー学会賞に見る表面改質技術・・・日本トライボロジー学会

トピックス

TTRFと大豊工業、自動車のトライボロジーで第6回 国際シンポジウムを開催

日産・平山氏らに自動車技術会賞の論文賞

FPS、第16回岩木賞の業績募集を開始、表彰費用の賛助も募集

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admin 2023年6月22日 (木曜日)
admin

Rtec-Instruments、7月11日にセミナー&ユーザーズミーティングを開催

10ヶ月 1週 ago
Rtec-Instruments、7月11日にセミナー&ユーザーズミーティングを開催

 Rtec-Instruments(https://rtec-japan.com/)は7月11日東京都葛飾区の東京理科大学 葛飾キャンパスにおいて、同大学 工学部 機械工学科 教授の佐々木信也氏の協力のもと、Rtec-Instruments日本法人立ち上げ後初となる「セミナー&ユーザーズミーティング」を開催する。トライボロジー特性評価の基礎に関するセミナーのほか、多機能トライボメーター(摩擦摩耗試験機)や三円筒 転がり疲労・耐ピッチング性評価試験機などの実機見学・デモなどが実施される予定。

 

 参加の条件は、以下のリンク先フォームによる事前登録、あるいはinfo.jp@rtec-instruments.com へのメールによる事前登録を行うこと、参加時に名刺を提出いただくこと(氏名が確認できること)、同業(トライボロジー試験機メーカー・販売業者)でないこと。

リンク先フォーム

 同社では、セミナー&ユーザーズミーティング開催に関して「各種トライボロジー試験機の購入をご検討の方々はこれを機に試験機の実機見学&デモ試験に、すでに購入された方々は日頃の運用での疑問や要望、新製品の情報収集にぜひ参加いただきたい」と呼びかけている。
 
■開催日時:2023年7月11日 14:00~17:00
     (17時より技術交流会)

■定員:30名程度

■開催場所:東京理科大学 葛飾キャンパス 研究棟4階 第3会議室(佐々木研究室)

■主な内容:
・トライボロジー特性評価の基礎

・新製品・アプリケーション紹介

・実機見学・デモ

kat 2023年6月16日 (金曜日)
kat

三洋貿易、摩擦摩耗試験の評価方法・事例がわかるウェビナー

10ヶ月 1週 ago
三洋貿易、摩擦摩耗試験の評価方法・事例がわかるウェビナー

 三洋貿易( https://www.sanyo-si.com/i )は6月28日、「摩擦摩耗試験の評価方法・事例がわかる60分 ~多様な試験方法と試験機選定のポイント~」と題したウェビナーを開催する。

 摩擦摩耗試験評価は“摩耗への耐久性”や“摩擦力などの設計仕様の確認”といった製品の信頼性を評価する上で重要な試験である。自動車・航空宇宙・電車や船舶など、あらゆる分野で欠かせない技術だが、昨今のSDGs、環境負荷への関心の高まりを背景に、摩擦摩耗の改善がより一層重要な技術課題であると再認識されている。

 しかしながら、摩擦試験機と呼ばれるものは世の中には沢山あり、それに加えてピンオンディスク試験・ブロックオンリング試験・四球試験、などといった試験方法の種類も沢山あるため、どの試験機を用いて、どのような評価をするかということが非常に重要になる。

 同社では、アメリカ、ドイツ、イギリスといった世界中のグローバルスタンダード機を多数取り扱っており、本ウェビナーでは、多様な試験方法と適切な評価を行うための試験機選定のポイントについて紹介する。

 ウェビナーの詳細・参加予約はこちらから。

admin 2023年6月15日 (木曜日)
admin

日本トライボロジー学会、第68期会長に梅原徳次氏(名古屋大学)

10ヶ月 1週 ago
日本トライボロジー学会、第68期会長に梅原徳次氏(名古屋大学)

 日本トライボロジー学会(JAST)は「トライボロジー会議 2023 春 東京」会期中の5月30日に「第67期定時社員総会」を開催、第68期役員の選任について決議がなされ、第68期新会長に名古屋大学大学院 工学研究科 教授の梅原徳次氏が選出された。副会長には東京理科大学 工学部 教授の佐々木信也氏とJETRO トロント事務所の小鹿野哲氏が就任した。

 定時社員総会で挨拶に立った梅原JAST新会長は、「本会は1955年に創設され20世紀には右肩上がりに会員数が伸びていったが、21世紀に入ってからは他学会と同様に会員数が減少し続けている。学会活動は会員各位のボランティアによってなされており、そうしたボランティアによる活動を通じて、いかに会員サービスを高めていくかが大きな課題となる。そこで第68期理事においては、学会および学会関係のリソースをしっかり考えて、その中で少ない人数での持続的発展を求めていきたい。JASTは世界のトライボロジー分野で非常に認められている組織であり、この組織において持続的発展が進展するように尽力していきたい」と力強く語った。
 

就任の挨拶を行う梅原JAST新会長

 

kat 2023年6月15日 (木曜日)
kat

プロテリアル、令和5年度全国発明表彰「朝日新聞社賞」を受賞

10ヶ月 3週 ago
プロテリアル、令和5年度全国発明表彰「朝日新聞社賞」を受賞

 プロテリアル( https://www.proterial.com )の「加熱炉を使わない鋼材の焼鈍方法の発明」が、発明協会主催の全国発明表彰において、「朝日新聞社賞」を受賞した。発明者は特殊鋼事業部 安来工場 熱処理技術部 片岡 仁氏、同事業部 同工場 技術部 江口 弘孝氏。

 鋼材は、加熱された温度、冷やすスピードによって、オーステナイト、パーライト、マルテンサイトなどに組織が変化(変態)する。この特性を利用して意図的に変態させるのが熱処理であり、目的に応じた適切な特性を得ることができる。前工程である熱間加工後の鋼材は、空気中で冷却されることで簡単に硬いマルテンサイト組織に変化し、 加工が難しくなるだけではなく、鋼材によっては割れてしまう場合があった。これらを解決するために、これまでは加熱炉を使用して、ゆっくり冷やすこと(焼鈍と呼ばれる熱処理)で軟らかいパーライト組織に変態させ、加工しやすくしたり、割れを防いだりしていた。しかし、この方法では加熱炉を使用するため、燃料や電気を必要としていた。

 今回受賞した技術は、熱間加工後の熱間金型用鋼などの半製品鋼材において、加熱炉を使用せずにパーライト組織に変態させる焼鈍方法に関するもの。オーステナイトからパーライトに変態する際に発生する熱(変態潜熱)を利用することで鋼をゆっくり冷やし、加熱炉を使用しないでパーライト化することに成功した。具体的には、熱間加工を行った オーステナイト状態の半製品鋼材に保温槽に入れる ことで、変態潜熱を利用した焼鈍を行う。加熱炉が不要なため燃料や電気を必要とせず、それらに由来するCO2排出も削減することが可能となった。 また、保温をしながらの移動も可能で、次工程を考慮した効率の良い生産が可能となる。本技術は、すでにプロテリアル安来工場の焼鈍工程に適用を開始している。

保温槽を用いた焼鈍作業

 

admin 2023年6月6日 (火曜日)
admin

人とくるまのテクノロジー展2023が開催

10ヶ月 3週 ago
人とくるまのテクノロジー展2023が開催

 自動車技術会は5月24日~26日、横浜市のパシフィコ横浜で「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展 2023」を開催した。499社/1115小間の規模で開かれ、3日間で63810名が来場した。表面改質関連では、以下のような展示がなされた。

 HEFグループは、HEF DURFERRIT JAPAN、TS 群馬、ナノコート・ティーエスの共同で出展。今回は、TS群馬で量産処理を手掛けることが決まった環境対応塩浴軟窒化プロセス「CLIN(Controlled Liquid Ionic Nitrocarburizing)TM技術」に関する、新たな用途展開について紹介した。CLINTM技術の特徴としては主に、高い耐摩耗性(耐焼付き性)、高い耐食性、黒色均一外観(意匠性)、環境対応などが挙げられ、耐摩耗性、耐食性の要求事項に対応できることに加え黒色均一外観が好感され、二輪のブレーキディスクで欧米をはじめとした各OEMに採用されている。

 今回の展示では、欧州委員会(EC)が2022年11月に提案し、乗用車が2025年7月、バスやトラックなどの大型車2027年7月に規制対象となる、自動車の新たな環境規制「Euro7」において、Euro7規制対策として、新たにブレーキパッドとローターの摩擦によって排出される粉塵が規制対象に加わることから、パッドと摺動するローターの摺動面にCLIN TM技術を施すことで、高い耐摩耗性が表面に付与されることによる粒子(摩耗粉)排出量を低減できることをアピールした。また、ガス窒化処理と比較して優れた耐食性を有することや、ブレーキの異音/鳴きを低減できること、処理後歪み低減を考慮した処理プロセスとなっていることなども訴求した。

HEFグループ CLIN処理したブレーキローターなど自動車部品

 

 キーパーは、燃費改善、電費改善につながるゴム製品表面の低摩擦化技術を紹介した。ゴムに自己潤滑成分を練り込み、成形後に自己潤滑成分が表面に移行することで低摩擦化が可能になる「ルブラバー」は、グロメット・Oリングにすでに適用されている。

 また、ゴム表面にPTFEを含有したコーティング液を塗布することで滑り性および耐摩耗性を向上させる「PTFEコーティング」(オイルシール全般に適用可能)や、ゴムの極表層の分子構造をハロゲン化させることで低摩擦化を可能にする「ハロゲン化処理」(グロメット・Oリングに適用可能)、さらに、ゴム表面に非結晶の炭素膜を形成することで滑り性および耐摩耗性を向上させる「DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティング」(オイルシール全般に適用可能)を参考出品した。炭素膜がブロック状に形成されているためシールの変形への追従が可能で、動摩擦係数0.2の低摩擦化と同時に密封性の確保が実現できることをアピールした。

キーパー 各種の低摩擦化技術とそれら技術を適用したシール製品のサンプル

 

 日本ピストンリングは、ピストンリングの耐摩耗性向上や摺動特性改善のために既存技術として確立している表面改質技術を活用することにより、防食や生体、電気など新たな分野への応用展開が図れることをアピールした。高硬度・低摩擦・化学安定性・耐焼付き性を付与できることからピストンリングに採用されているDLC膜が耐食性にも優れることから、耐食環境で用いられる金属製機械部品を保護できることを示した。また窒化チタン(黒TiN)膜が生体親和性に優れ表面積を増やせ静電容量を約5倍アップできることから、生体埋め込み型などのメディカルデバイスへの適用が可能であることを示した。

 ブースでは、ピストンリングやギヤ部品、ボールねじ循環部品といった金属部品にDLCコーティングを被覆したサンプルや、ステンレスパイプにTiNコーティングを施したサンプル、PEEKやPETなどの樹脂材料・樹脂部品にTiコーティングを施したサンプルなどを展示した。

日本ピストンリング 様々な材質にDLCなど各種表面改質を施したサンプル

 

kat 2023年6月1日 (木曜日)
kat

日立建機とNIMS、レーザー焼入れで使用済み歯車の寿命を新品と同等以上に延長

11ヶ月 1週 ago
日立建機とNIMS、レーザー焼入れで使用済み歯車の寿命を新品と同等以上に延長

 日立建機と物質・材料研究機構(NIMS)は、使用済み歯車の表面にレーザー焼入れすることで、摩耗によって損傷した部分を修復する手法を共同で開発した。また、修復した歯車の使用寿命を新品と同等以上に延長可能であることを実証した。なお、本手法は、炭素を拡散させて金属の表面を強化する浸炭処理を施した歯車を対象としている。

浸炭処理をした歯車にレーザー焼入れをする様子

 日立建機は、2023年4月より、使用済み油圧ポンプ内部の歯車の再生において、本手法を適用する。これにより、従来、廃棄の対象としていた歯車の再生利用率が約25%向上する。20tクラスの油圧ショベルの場合、毎回の定期部品交換時、新品ではなく再生された歯車を利用することで、新品部品を製造するときに発生するCO2排出量が1台当たり約13kg低減することが見込まれる。将来的には、鉱山機械の再生部品への本手法の適用や部品再生を行っている日立建機グループの海外拠点への導入も計画している。

 日立建機の再生事業は、顧客の使用済み純正部品 (油圧シリンダ、油圧ポンプ、走行装置など) を、機械の修理や定期交換時に回収し、分解・整備後、新品同等の機能保証付きの再生部品として提供している。高負荷がかかる歯車は、長く使用すると摩擦や残留応力などにより疲労し、使用寿命を迎えると、変形や破損へと至る。浸炭処理した使用済み歯車にレーザーを照射することで、不具合を引き起こす金属の表層組織を部分的に改質して強度を回復し、新品の歯車と比べて、寿命を新品と同等以上に延長可能であることが実証された。

 本手法は、日立建機 部品・サービスビジネスユニット 再生事業部とNIMS 構造材料研究センター 極低温疲労グループが共同で開発した。

admin 2023年5月16日 (火曜日)
admin

新東工業、米社とレーザーピーニング加工の受託加工合弁会社

11ヶ月 1週 ago
新東工業、米社とレーザーピーニング加工の受託加工合弁会社

 新東工業( https://www.sinto.co.jp )とアメリカのLSP Technologies(LSPT)は、レーザーピーニング(LP)加工の適用領域拡大を目指し、2023年4月3日付で共同出資による「新東LSPTレーザーピーニング(本社:豊川市、加賀秀明社長」を設立した。

 近年、航空機や自動車部品など高い安全性を求められる金属部品には、ピーニング工法を用いて耐久面における信頼性を向上させるのが一般的となっている。ピーニングには主に鉄系もしくは非鉄系の小さな球を金属表面に打ち付けるショットピーニング(SP)とレーザーを照射するLPがあり、それぞれ異なる特性を持っている。例えば、SPでは耐久性向上といった効果の付与が難しいチタンのような材料に対してはLPが効果的であり、LPでは照射が難しい形状に対してSPは適用可能など、材料・目的によって最適な工法は異なる。またLPでは投射材を使わないため廃棄物を出さない利点もある。

 従来より、表面処理のリーディングカンパニーである新東工業はSPをコア技術の一つとして、そのアプリケーションや評価の知見を蓄積してきたが、LPは世界的にも扱うメーカーが少ないのが実状だった。また、先述の通りSPとLPの特性の違いは明らかであることから、両技術の特性と対象材料・使用目的に応じた最適な加工条件の提案・加工、その効果の測定・検証が求められる。

 そこで、LP装置のトップメーカーであるLSPT社から国内初となる「The Procudo Laser Peening System(プロクド レーザーピーニング システム)」を導入し、新東工業が元来保有するSPに必要不可欠な投射材および投射条件に関する知見・ノウハウ、金属の特性評価をはじめとする測定技術にLSPT社のノウハウを融合した、LPの受託加工・測定専門会社を設立することとした。

 LSPTは、LP設備の製造・販売、LPの受託加工、技術サポート・メンテナンスを行っており、世界の大手航空機メーカー等を主要顧客としている。

 

admin 2023年5月16日 (火曜日)
admin

JCCとIHI Ionbond、自動車用プレス金型へのセラミックコーティングで業務提携

11ヶ月 2週 ago
JCCとIHI Ionbond、自動車用プレス金型へのセラミックコーティングで業務提携

 日本コーティングセンター(JCC、 https://www.jcc-coating.co.jp/ )とスイスのIHI Ionbond( https://www.ionbond.com/ )は、自動車用プレス金型へのセラミックコーティングで業務提携契約を締結した。

 物理蒸着(PVD)法を用いたセラミックコーティングは、製品の耐久性を向上させる表面処理技術の一種。自動車メーカーおよび自動車部品メーカーで使用されるプレス金型では、耐久性を向上させるためにPVD法によるセラミックコーティングが採用されている。一方、自動車関連メーカーは海外に多くの生産拠点を持ち、現地で金型の補修などが必要となるため、日本で提供されるセラミックコーティングと同じ処理を海外の生産拠点でも行いたい意向があった。

 JCCは、PVD法によるセラミックコーティングの受託加工における国内のリーディングカンパニーの一つであるが、現在のところ海外に生産拠点は持っていない。一方、IHI IonbonはPVD法、CVD法、PACVD法により受託加工を行うグローバルな表面処理メーカーで、15ヵ国に35の拠点を有している。

 今回の業務提携は、JCCの金型用の主力被膜である「ヴィーナス」とIHI Ionbondの金型用の主力被膜である「IonbondTM90 Concept」を日本および海外で相互に処理できるようにするもの。JCCはこれにより、IHI Ionbondを通して海外においても「ヴィーナス」を提供できる体制が整う。これにより日本のみならず海外の自動車関連メーカーの生産拠点をカバーすることができ、顧客の利便性を一層向上させることができる。

admin 2023年5月11日 (木曜日)
admin

TTRFと大豊工業、自動車のトライボロジー:表面改質をテーマに第6回 国際シンポジウムを開催

11ヶ月 2週 ago
TTRFと大豊工業、自動車のトライボロジー:表面改質をテーマに第6回 国際シンポジウムを開催

 大豊工業トライボロジー研究財団(TTRF)と大豊工業は4月13日、名古屋市の名古屋国際会議場で「TTRF-TAIHO International Symposium on Automotive Tribology 2023」を開催した。

開催のようす

 

 「トライボロジーの自動車社会への貢献」を全体テーマに掲げる同シンポジウムは、トライボロジー研究の進展と自動車技術への応用等に関しトップレベルの情報を交換するとともに、この分野での産学連携の現状と将来の可能性を示しその強化を図ることを目的に、2016年から開催されている。6回目となる今回は 、「Future Prospects of Tribological Materials Surviving a Once in a Century Period of Profound Transformation Part 2 Surface Treatment(100年に一度の大変革期に対応するためのトライボロジー材料の将来展望~Part2 表面処理~)」のテーマのもとで、低摩擦を目的とした表面処理技術や耐久性・信頼性向上を目的とした表面処理技術などが紹介された。

 開会の挨拶に立った鈴木徹志氏(大豊工業副社長)は、大豊工業が曾田範宗氏や木村好次氏をはじめとするトライボロジー研究の第一人者の指導を受けながらトライボロジーをコア技術としてマイクログルーブ軸受や樹脂コーティング軸受といった先進エンジンベアリングを世に送り出してきたことや、同社が多くの恩恵を受けてきたトライボロジーの研究開発支援と啓蒙に寄与する目的でTTRFを2000年に設立し、以降、多数のトライボロジーの研究テーマに対し累計220万USドルの助成を行っていることを報告した。また、学界と産業界のコラボレーションの強化によって一層のトライボロジー研究の活性化を支援していく目的で2016年から本シンポジウムを開催していることを紹介。自動車業界の大変革期にあってトライボロジーの諸課題が厳しさを増す中で、産学連携の強化によるトライボロジー技術の一層の高度化が課題解決に寄与できるとの観点から、「本日のシンポジウムにおいても、学界と産業界の両者の活発なディスカッションを通じて、トライボロジー研究開発の促進につながることを期待している」と述べた。

挨拶する鈴木氏

 

 続いて、Kenneth G. Holmberg氏(TTRF Director)をチェアマンに、以下のとおり基調講演が行われた。

「Development of Future Powertrains for Commercial Vehicles」石川直也氏(いすゞ中央研究所)…地球温暖化防止の重要な施策としてCO2削減が要求され、自動車の電動化が進められる一方で、電力を火力発電に頼っている現状からは車両の電動化だけではCO2削減にはつながらず、発電を含めた完全な電動化が達成されるまでは、内燃機関(ICE)車では再生可能エネルギー由来の燃料の使用や熱効率の改善を進める必要がある。本講演では、物流や生活を支える商用車として、稼働コストや耐久信頼性、航続距離といったユーザーの要求に対応しつつLCAでのカーボンニュートラルを実現するための取組みを紹介。EHL理論をベースにしたクランクシステムの摩擦低減・耐久信頼性向上のための解析技術や、潤滑技術や表面改質技術を活用した部品の寿命延長のほか、部品の潤滑状態や摩耗状態の予測技術を高めることでLCAでのCO2削減に貢献できると述べた。

「New Development of Functional Surface Finishing Technologies for Next Generation Automobiles」呉 松竹氏(名古屋工業大学)…ICE車から電気自動車(EV)への転換によるエネルギー消費の節減・改善を目的に軽量化が進められる中、表面改質の対象となる材料として、アルミニウム、マグネシウム、チタニウム合金といった様々な軽量素材が採用されてきている。本講演では、EVへの転換で登場してきた部品(リチウムイオンバッテリーの部品など)に対応する表面改質技術が求められる中で、変速機用部品向けなどでアルミ合金の潤滑性・耐摩耗性を高めるAl2O3/MoS2(-Sn, Ni) コーティングや、電気端子や電気接点向けなどで銅合金に高い導電性や耐摩耗性を付与するAg(Sn)グラフェン複合コーティング、リチウムイオン電池の電極材料などに大容量と高い安全性を付与するTiO2-TiN(Sn, MoOx)複合コーティングなど、次世代車両に対応する様々な非鉄材料系表面処理技術を紹介した。

 上記2件の基調講演に続き、加納 眞氏(KANO Consulting Office)をチェアマンに、「低摩擦(Low Friction)の表面処理」をテーマとするセッションが以下のとおり行われた。

「Friction Reducing Methods of DLC Films in Oil-less Conditions」徳田祐樹氏(東京都立産業技術研究センター)…環境問題などからしゅう動部品の無潤滑化が求められる中、低摩擦特性や耐摩耗性などを表面に付与できる表面改質技術としてダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングが注目されている。ここでは、無潤滑下で低摩擦を実現するDLC技術として、300℃程度で予熱し最表面にグラファイトライク構造を形成した傾斜膜とすることで摩擦・摩耗特性を改善した事例や、マイクロスラリージェットエロージョン(MSE)法を用いてDLC膜に表面テクスチャを形成することでしゅう動とともにグラファイト化したDLC膜の摩耗粉をテクスチャ内に捕捉し低摩擦化を図った事例、塩素ドープDLC膜によって耐摩耗性と超低摩擦を付与した事例などを紹介した。

「Development of DLC Reinforced Metal Matrix Coatings for Low Friction Sliding Components」Shahira Liza binti Kamis氏(Universiti Teknologi Malaysia)…ベアリングなどしゅう動部品においては、オイルの使用に伴う環境への配慮から、また風力発電など遠隔地にあって保守の難しい用途において、DLCなどの自己潤滑性材料による低摩擦化が求められている。本講演では、電気化学的成膜法を用いて、しゅう動部品の一方の材料にDLCフレークを分散させることによって、しゅう動時の無潤滑下での低摩擦化を図る手法を紹介した。開発した自己潤滑性を有するDLC/CuやDLC/NiなどのDLC強化複合コーティングは、潤滑油の供給なしにしゅう動部品の低摩擦化を実現。金属膜にDLCを添加し効率的に自己潤滑性を得る本手法を適用することで、各種機械が少ないエネルギーで同程度の出力を得られ、さらに部品の寿命を延長できる、と総括した。

「Material Design for Control of Tribo-film Structure Formed from Friction Modifiers」小池 亮氏(トヨタ自動車東日本)…エンジン油の低粘度化とともに自動車しゅう動部品の境界潤滑下での摩擦が増え、MoDTCに代表される摩擦調整剤への要求が高まっている。しかし、自動車しゅう動部品において適用の進むDLCなど硬質膜の種類により、摩擦調整剤の効果を発現するトライボフィルムの形成が影響される。本研究では、MoDTC添加油中における硬質膜を用いた摩擦系での低摩擦発現に関し、硬質膜自体が反応性を持たないCrNなどの窒化物膜は摩擦初期のなじみ過程で相手材からのFeの移着が低摩擦発現のためのトライボフィルム形成の必要条件であることや、トライボフィルムが最表層にMoS2を形成するには硬質膜基材とFe酸化物の結晶の格子定数が整数倍となることによって形成される緻密な Fe酸化物のナノ界面の形成が必要なこと、などを明らかにした。

 また、上坂裕之氏(岐阜大学)をチェアマンに、「耐久信頼性向上(Improve Durability and Reliability)の表面処理」をテーマとするセッションが以下のとおり行われた。

「Advanced Durability Surface Treatment Materials of Sliding Bearing for High Performance Diesel Engine」児玉勇人氏(大豊工業)…ディーゼルエンジンの高出力化とともにエンジンベアリングに対する負荷は高まる傾向にある。同社では高PVに対応する鉛フリーの表面処理技術として、銅合金エンジンベアリング向けのビスマス(Bi)コーティングやアルミ合金エンジンベアリング向けの樹脂コーティングを開発している。Biコーティングはトライボロジー特性に優れるものの、より高出力化するディーゼルエンジンのベアリングとしては軟質金属のため機械的強度が足りず、疲労摩耗特性が十分ではないという課題があった。本講演ではこの課題に対して、Biコーティングにアンチモン(Sb)を添加した新開発のコーティングが耐疲労強度を向上したことや、樹脂コーティングにおいて組成を最適化することで同様のアプリケーションに耐える耐摩耗性を付与できたことなどを報告した。

「Development of High strength and Anticorrosive Aluminum Alloys and Improvement of Fatigue Property」芹澤 愛氏(芝浦工業大学)…自動車の軽量化を目的にアルミニウム合金の適用が進む中で、アルミニウム合金に耐食性を付与する表面改質技術が求められている。本講演では、蒸気コーティング法でアルミニウム合金表面に緻密に成膜した水酸化アルミニウム被膜(AlO(OH))が水酸化物結晶の腐食防止効果によって高い耐食性を示すことや、蒸気コーティングの熱エネルギーによって硬度が上昇しアルミ合金の強度が高まったことなどを紹介した。動電位分極曲線からは水酸化アルミニウム被膜を被覆した基材の腐食電流密度が減少していることや孔食が抑制されていることが分かり、平面曲げ疲労試験からは水酸化アルミニウム被膜を被覆した試験片疲労亀裂の発生が抑えられ、アルミニウム合金の疲労寿命延長に寄与できることが確認された。

「Improvement of Fatigue Strength by Mechanical Surface Treatment Using Sustainable Peening Method」祖山 均氏(東北大学)…自動車の燃費・電費改善から、低摩擦化や耐久性・信頼性の向上と、環境負荷低減が求められている。本講演では、この目的に対応した、消耗材であるショット材を用いることなく疲労強度改善が可能な、サスティナブルな機械的表面改質技術「キャビテーション・ピーニング」を紹介。キャビテーション気泡の崩壊時に生じた衝撃力を有効利用してピーニングを行うキャビテーション・ピーニングが、表面硬化や残留圧縮応力の付与を実現しつつ平滑な表面を生成できることや、キャビテーション・ピーニングによってギヤやローラの疲労特性が改善された事例などが紹介された。

 講演終了後は、杉原功一実行委員長(大豊工業社長)が挨拶に立ち、「今回は100年に一度という自動車業界の大変革におけるトライボロジー材料の将来展望と、低摩擦および耐久信頼性向上のための表面処理技術という、二つのテーマでセッションを設けた。その中でトライボロジー材料:表面処理技術についての貴重な講演がなされ、学界と産業界との活発な議論がなされた。本日のシンポジウムの成果がSDGS実現に向けたトライボロジー課題の解決につながることを祈念するとともに、今後シンポジウムをより意義のあるものとして開催できるよう、参加いただいた皆様からのご意見やご示唆をいただければ幸いである。本シンポジウムの開催を継続しつつレベルアップを図っていき、産官学の連携をより強固なものにしていく一助とできれば大変うれしい」と述べて、シンポジウムは閉会した。

挨拶する杉原実行委員長

 

kat 2023年5月9日 (火曜日)
kat

平山氏(日産自動車)らに「ステンレス溶射ボアに対応した厚膜DLCピストンリングの開発」で論文賞

1年 ago
平山氏(日産自動車)らに「ステンレス溶射ボアに対応した厚膜DLCピストンリングの開発」で論文賞

 自動車技術会は4月26日に第73回自動車技術会賞の受賞者を決定した。自動車技術会賞は、1951年に自動車工学および自動車技術の向上発展を奨励することを目的として設けられ、自動車技術における多大な貢献・功績に対し贈呈している。今回、表面改質関連では、論文賞に平山勇人氏(日産自動車)など「ステンレス溶射ボアに対応した厚膜DLCピストンリングの開発」、技術開発賞に谷川達也氏(トヨタ車体)「100%塗着霧化塗装技術」が受賞した。受賞理由は以下のとおり。

 「ステンレス溶射ボアに対応した厚膜DLCピストンリングの開発」平山勇人氏・柴田大輔氏・内海貴人氏・野間 俊氏(日産自動車)、篠原章郎氏(リケン)…カーボンニュートラル実現に向けたCO2削減のためエンジン燃費改善は最重要課題である。排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation、EGR)率の向上による排気凝縮水の増加により、ボア腐食環境が厳しくなっている。これらの背景から、ステンレス溶射ボアを開発したが、窒化Cr膜を採用したピストンリングとの摺動における凝着摩耗が課題であった。窒化Cr膜を使わない厚膜DLCはアブレシブ摩耗が課題であるが、脱落したドロップレット形状に倣って弾性変形することにより、アブレシブ摩耗を抑制するメカニズムを明らかにした。ステンレス溶射ボアと厚膜DLCピストンリングの組み合わせでEGR率20%を成立し、燃費4%の向上を実現した。本開発での知見は、EGR率30%以上の実現、腐食環境が厳しいバイオ燃料を活用したフレックス燃料車へも適用可能な成果であり、高く評価された。

 「100%塗着霧化塗装技術」立川達也氏・田中敦史氏・佐藤洋平氏(トヨタ自動車)、野田祥吾氏・赤荻隆斗氏(大気社)…自動車塗装で使用されている霧化塗装機は、ベルカップと呼ばれるノズルを高速回転させ、塗料をベルカップ円周上のエッジから液糸状にし、シェービングエアーと呼ばれるエアー機で霧化状にして吹付けしている。この塗装方法は、エアーによる影響で被塗物からの塗料の跳ね返りが生じるため、塗料の塗着率は60~70%程度であり、塗着しなかった塗料を回収・処理する大掛かりな設備が必要である。本技術は、塗料飛散の原因となるエアーや遠心力をまったく使用せず、塗料の微粒化を電気の反発力のみで行い、静電引力で被塗物へ付着させるため、100%の塗着率を可能にした。塗料の飛散がないため、塗料回収・処理する大掛かりな設備を小型化でき、CO2の削減が可能となる。本技術は、CO2排出量が多い自動車塗装工場の姿を一新することが可能な技術開発として高く評価された。

admin 2023年4月27日 (木曜日)
admin

FPS、第16回岩木賞の業績募集を開始、締め切りは9月30日、表彰費用の賛助も募集

1年 ago
FPS、第16回岩木賞の業績募集を開始、締め切りは9月30日、表彰費用の賛助も募集

 未来生産システム学協会(FPS)は、「第16回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)」の業績募集を開始した。締め切りは本年9月30日。

 岩木賞はトライボコーティング技術研究会が提唱し、NPO法人である精密科学技術ネットワーク(PEN)が2008年度から創設し表彰していたが、2011年度からは一般社団法人であるFPSが継承し表彰している。

 岩木賞は、表面改質、トライボコーティング分野で多大な業績を上げた故 岩木正哉博士(理化学研究所 元主任研究員、トライボコーティング技術研究会 前会長)の偉業を讃えて、当該技術分野と関連分野での著しい業績を顕彰するもの。募集対象は表面加工、表面改質、表面分析、トライボロジー、コーティングに関わる研究・開発・技術・支援・交流・事業化などで著しい成果、業績(製品、サービス、学会発表や特許申請/登録されたものを含む)を上げた個人、法人、団体で、表彰対象は受賞業績が公表できること、FPSに参加できること、と定めている。

 本年度は大賞、優秀賞、特別賞、奨励賞を中心に募集を行うが、国際賞、事業賞、功績賞の申請も受け付ける。国際賞以外は、原則として日本国内に居住地、研究室や本社、本部、主力工場などの活動拠点を有する個人、法人、もしくは団体が対象。国際賞は、海外に居住地などの主たる活動拠点を有する個人、法人、団体が対象となる。

 各賞の審査基準は以下のとおり。

【大賞】
・開発技術が世界的に高い水準にあり、新規独創性に優れたもの。
・開発技術が実用化されており、経済的・社会的貢献が認められるもの。

【優秀賞】
・開発技術が日本国内において高い水準にあり、新規独創性に優れたもの。
・開発技術が実用化されており、社会的貢献が認められるもの。

【特別賞】
・開発技術が当該業界において高い水準にあり、新規/独創性に優れたもの。
・開発技術が実用化されているか、実用化の途上にあり、社会的貢献が認められるもの。

【奨励賞】
・開発技術が当該業界において優れており、新規/独創性に優れたもの。
・開発技術が実用化の途上にあり、実用化の努力が認められるもの。

【事業賞】
・事業化技術または事業/ビジネスモデル、サービスなどが当該業界で影響力を有し、当該業界の知名度を上げる、インフラの構築を行う、社会生活に恩恵をもたらすなどの効果を通して、活性化、発展に貢献をなし、波及効果を生むなどの活動の成果、努力が認められるもの。

【国際賞】
・開発技術または事業化技術または事業/ビジネスモデル、サービスなどが当該業界で影響力を有し、当該業界の我が国との関係において協力、連携、協調関係を育み、または当該業界の知名度を上げ、活性化、発展に貢献をなし、波及効果を生むなどの活動の成果、努力が認められるもの。

【功績賞】
・大賞、優秀賞、特別賞、奨励賞の評価尺度と、事業賞、国際賞の評価尺度のいずれの面でも極めて顕著な業績が認められるもの。

 岩木賞受賞業績については、2024年2月に開催予定のシンポジウム「トライボコーティングの現状と将来」で、表彰および受賞業績の記念講演がなされる。岩木賞に関する問い合わせ、申請様式の請求は、FPS表彰顕彰部門岩木賞表彰事業部内 事務局まで(E-mail:award@e-shg.net)。 

 トライボコーティング技術研究会ではまた、岩木賞表彰費用の賛助を呼びかけている。問い合わせ・申し込みは、岩木賞表彰事務局まで(award@tribocoati.st)。

 なお、岩木賞のこれまでの受賞業績は以下のとおり。

第1回~第15回 岩木賞の受賞業績一覧

 

kat 2023年4月24日 (月曜日)
kat

メカニカル・サーフェス・テック2023年4月号 特集「工具の表面改質」、キーテク特集「浸炭処理」4月25日発行!

1年 ago
メカニカル・サーフェス・テック2023年4月号 特集「工具の表面改質」、キーテク特集「浸炭処理」4月25日発行!

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2023年4月号 特集「工具の表面改質」キーテク特集「浸炭処理」が当社より4月25日に発行される。

 今回の特集「工具の表面改質」では、周期的にアーク放電を発生させるパルスアークプラズマ法により作製した耐摩耗膜の開発事例について、高硬度材の表面切削加工において長時間の高精度加工を実現するために開発したコーティング被膜について、工具鋼の材料設計と金属熱処理による組織制御について、ダイヤモンド成膜工具の刃先を先鋭化するとともに工具表面を平滑化する装置と処理事例について紹介する。

 また、キーテク特集「浸炭処理」においては、浸炭焼入設備の特徴とIoTの活用事例について、環境負荷低減に配慮した低圧浸炭装置の概要について紹介する。

特集:工具の表面改質

◇パルスアークプラズマ法による切削工具向け耐摩耗膜の開発・・・佐賀大学 長谷川 裕之、堤 祐太郎、田中 康介

◇高硬度鋼加工に適した工具被膜の開発・・・オーエスジー 王 媺、羽生 博之

◇工具鋼の材料設計と組織制御・・・プロテリアル 片岡 公太

◇ダイヤモンド成膜工具の刃先先鋭化装置の開発・・・新明和工業 岡本 浩一

キーテク特集 浸炭処理

◇浸炭処理装置の特徴とIoT化・・・中外炉工業 吉本 誠司、小山 良介

◇低圧浸炭炉関連の最近の話題・・・パーカー熱処理工業 関 正広 氏に聞く

連載

注目技術:電気で動く分子モーター・・・ノースウェスタン大学

トピックス

サーフテクノロジー、PFAS対策で非粘着/撥水/親水セラミックコーティングの取扱いを開始
ナノコート・ティーエス、トライボロジーラボの機能を刷新
トライボコーティング技術研究会、第15回岩木賞贈呈式、第25回シンポジウムを開催
表面技術協会、第74回通常総会・協会賞など各賞授与式を開催

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admin 2023年4月24日 (月曜日)
admin

JAST、5月29日~31日にトライボロジー会議 2023 春 東京をリアル開催、参加登録は5月15日まで

1年 ago
JAST、5月29日~31日にトライボロジー会議 2023 春 東京をリアル開催、参加登録は5月15日まで

 日本トライボロジー学会(JAST)は5月29日~31日、東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで、「トライボロジー会議 2023 春 東京」(実行委員長:出光興産・上村秀人氏)を開催する。トライボロジー会議 春 東京のリアル開催は2019年5月以来、4年ぶりとなる。JASTでは現在、トライボロジー会議への事前参加登録(https://www.tribology.jp/event/register_form/index.php?event_id=202)と、東京都新宿区のバトゥール東京で開催される懇親会への事前参加登録(https://www.tribology.jp/event/register_form/index.php?event_id=207)を呼び掛けている。参加登録はいずれも5月15日まで受け付けている。

 

 今回は、「機械要素」、「潤滑剤」、「固体潤滑」、「表面処理・コーティング」、「分析・評価・試験方法」、「摩擦」、「摩耗」、「摩擦材料」、「バイオトライボロジー」、「表面・接触」、「流体潤滑」、「疲労」、「シミュレーション」、「境界潤滑」、「現象・理論」のテーマによる一般講演と、「“超”を目指す軸受技術の最前線」、「表面テクスチャによるトライボロジー特性制御の最近の成果と今後の展開」、「水素が関わるトライボロジーの諸現象」、「自動車用動力伝達系のトライボロジー」、「自動車用エンジン油最前線―自動車の低燃費、カーボンニュートラルに向けた潤滑油の貢献―」のテーマによるシンポジウムセッション、技術賞受賞講演と論文賞受賞講演で、全182件の発表が行われる。

 30日には第67期定時社員総会・学会賞授賞式が執り行われ、続いて14時50分~16:55実行委員長の出光興産・上村秀人氏の司会による特別フォーラムが開催され、長谷川晶一氏(東京工業大学)による講演「バーチャルリアリティにおける摩擦のリアリティの実現とメタバースへの応用の期待」と、三木哲也氏(公正研究推進協会、電気通信大学 名誉教授)による講演「事例に学ぶ研究不正の実情と対応」がなされる。

トライボロジー会議への事前参加登録は以下のとおり。
https://www.tribology.jp/event/register_form/index.php?event_id=202

 30日の18時30分~20時30分にはまた、トライボロジー会議会場の国立オリンピック記念青少年総合センターから参宮橋駅経由で30分圏内にある、東京都新宿区のバトゥール東京に会場を移して、横浜国立大学・大久保 光氏の司会のもと、懇親会が開催される。懇親会への事前参加登録は以下のとおり。
https://www.tribology.jp/event/register_form/index.php?event_id=207

kat 2023年4月20日 (木曜日)
kat

日立ハイテクなど、SEMで第69回大河内記念生産賞を受賞

1年 ago
日立ハイテクなど、SEMで第69回大河内記念生産賞を受賞

 日立製作所と日立ハイテクはこのほど、大河内記念会が主催する「第69回(令和4年度)大河内賞」において、「極端紫外線露光世代の半導体測長SEMの開発と高精度化」で「大河内記念生産賞」を受賞し、3月22日に日本工業倶楽部会館にて行われた贈賞式にて表彰された。

贈賞式のもよう

 大河内賞は、生産工学、生産技術、生産システムの研究ならびに実施などで、学術の進歩と産業の発展に大きく貢献した顕著な個人、グループまたは事業体を表彰するもの。大河内記念生産賞は、特に会社、工場などの事業体に対して送られる賞となる。

 近年、半導体デバイスの微細化が進む中、ウェーハ上に形成された微細パターンの寸法計測に特化した測長SEMは0.1nmレベルの精度と安定性が要求されている。今回の受賞は、端紫外線(EUV)露光世代の半導体パターン計測用に開発した測長SEM(製品名:CG7300)を対象として、高精度化、安定性、デジタル技術装置の3点に着目した技術開発に対して、その成果が評価されたもの。

 スマートフォンなどで用いる最先端の半導体デバイスでは、nmレベルの極めて小さな素子が用いられている。このような半導体デバイスでは、回路パターンを小さくすることによる高性能化とデバイスの製造コストの低減を両立しなければならず、今後もさらに小さな回路パターンを製造することが求められている。

 日立製作所と日立ハイテクは、この小さな回路パターンの寸法を計測するため、高精度なフォーカス合わせを実現する対物レンズ、電子ビーム揺れ抑制技術および電子ビーム形状補正デジタル処理技術を開発した。これにより、個別装置間のパターン寸法計測値差(機差)を従来機種比で約10%精度向上(機差:0.10nm以下レベル)に成功し、世界最高水準の半導体パターン検査技術を確立した。

 開発した技術により半導体パターンの検査精度が向上し、半導体製造の歩留まり向上に寄与する。これにより、CG7300はEUV対応半導体パターンの測長SEMとして高く評価され、世界中の半導体メーカーに多数導入されているという。

CG7300

 

admin 2023年4月13日 (木曜日)
admin

第38回素形材産業技術表彰、DOWAサーモやブルー・スターR&Dが受賞

1年 ago
第38回素形材産業技術表彰、DOWAサーモやブルー・スターR&Dが受賞

 素形材センターはこのほど、「第38回素形材産業技術表彰」の受賞者を発表した。表面改質関連では、素形材センター会長賞にトヨタ自動車とDOWAサーモテックの「環境負荷に配慮した真空浸炭焼入プロセスと量産設備の開発」、素形材産業技術表彰委員会特別賞にブルー・スターR&Dの「水中の超音波振動と脱気を利用したバリ取り洗浄技術の開発」、ティーケーエンジニアリング、あいち産業科学技術総合センター、愛知産業の「熱処理シミュレーションと金属3Dプリンターによる誘導加熱用加熱コイルの開発」、が受賞した。

 同賞は、素形材産業の技術水準の進歩向上に貢献した技術の開発者等を表彰する制度。素形材産業の重要性等を広く社会一般に周知し、素形材業界の活性化を図るために行われている。今回は、経済産業大臣賞1件、中小企業庁長官賞1件、経済産業省製造産業局長賞1件、素形材センター会長賞3件、素形材産業技術表彰委員会特別賞4件、奨励賞4件が選定された。表面改質関連の受賞者、受賞技術は以下のとおり。

素形材センター会長賞

 「環境負荷に配慮した真空浸炭焼入プロセスと量産設備の開発」坂上秀幸氏・横本祥平氏・池山正芳氏(トヨタ自動車)、藤田貴弘氏・柴田大樹氏・上岡真弥氏(DOWAサーモテック)

 HEV や BEV の歯車など自動車用駆動部品の強化処理である浸炭焼入は、連続ガス浸炭が主流である。このプロセスは処理時間が長く、大型設備・大ロットでの処理となり「エネルギロスが大きくCO2排出量が多い」「運搬や中間在庫のムダが発生する」などの問題がある。これらを解決すべく、機械加工ラインと一連で設置可能なコンパクトで生産能力の高い真空浸炭焼入技術を開発した。

 昇温や冷却など加工点のばらつき低減を軸とした短時間処理プロセスと、高さを2m以下に抑えた真空浸炭室や地下ピットを廃止した冷却油槽を持つ量産設備の開発により、浸炭焼入れの現場を変える「運搬レス・在庫ミニマム」と「低CO2 (▲29%)」を実現した。また、複数の小ロット浸炭室を個別条件で稼働させることにより、多種少量生産や需要変動にもフレキシブルに対応できるとともに、品質ばらつき低減による部品の小型・軽量化、低コスト化など、ものづくりの進化への貢献も期待できる。

 本技術は2018年から量産を開始し、国内外の部品生産に展開している。今後、ガス浸炭炉の置換えや新部品への採用など社内外への展開により、カーボンニュートラルのさらなる加速に貢献していく。

工程の概念図素形材産業技術表彰委員会特別賞

「水中の超音波振動と脱気を利用したバリ取り洗浄技術の開発」柴野佳英氏(ブルー・スターR&D)

 ますます複雑化し精密化する各種、成型加工部品の量産工程において、そのバリ取りの自動化技術の確立は、国際競争力確保の上からも非常に重要である。同社は、水を脱気、冷却し、強力な超音波を照射し、直径10mmに達するキャビティー(微小真空核群)を無数に生成させ、その発生と消滅時に生じる正と負の衝撃力でバリを取り、同時に洗浄する技術を世界で初めて開発、実用化した。環境にやさしく、同時に洗浄、乾燥も可能な超音波バリ取り装置は、300機種以上、標準化され、日本はじめ13か国で使用されており、品質も向上と人件費の大幅削減に貢献している。自動車部品産業、電子部品産業、半導体部品、医療用部品、航空宇宙産業部品産業のあらゆる分野で精密加工が進み、バリの微小化と表面の清浄化も求められており、超音波バリ取り洗浄技術は、既存のバリ取り技術に代わる変わることも期待される革新的な技術である。

超音波バリ取り洗浄装置

「熱処理シミュレーションと勤続3ディープリンターによる誘導加熱用加熱コイルの開発」下村 豊氏・清水稔彦氏・河辺正臣氏(ティーケーエンジニアリング)、加藤正樹氏・梅田隼史氏(あいち産業科学技術総合センター)、近藤拓未氏(愛知産業)

 銅はレーザーの反射率が高いことと、また熱伝導率が高くメルトプールが形成されにくいことから、従来、付加製造(AM)技術の一つである SLM 方式での銅製品の造形は難しいといわれてきた。本開発では、700Wの高出力なレーザーでの適正な造形パラメーターを確立したことにより、密度99.8%以上で面粗さも良好な造形体の製造が可能となり、従来のろう付けコイルより遥かに優れた銅合金(C18150)製のAMコイル®を開発、実用化した。また、CAEとAMを組み合わせることで、新規製品に対する加熱コイル開発期間を「49日から22日」と大幅に短縮できた(コイル再製作の場合)。さらに加熱コイルにおける「トポロジー最適化+AM」の組み合わせの開発では、トポロジー最適化で同定されたコイル形状をAMで製作し、実際に焼入れすると良好な焼入パターンが得られた。これは将来的に誘導加熱のコイル設計・製作が「CAE+AM」に置き換えが可能なことを示唆しており、非常に意義ある検証結果が得られている。

トポロジー最適化+AM

 

admin 2023年4月13日 (木曜日)
admin

日新電機、ベトナム市場向けPVDコーティングサービスの事業を強化

1年 ago
日新電機、ベトナム市場向けPVDコーティングサービスの事業を強化

 日新電機( https://nissin.jp )のグループ会社である日新電機ベトナム(本社:ベトナム、以下NEV)は、ベトナム市場向けファインコーティングサービス事業を強化するため、PVDコーティング装置を追加導入した。装置は2月から本格的に稼働開始しており、ベトナム地域の工具・金型ユーザーに対し、用途に合わせた最適なコーティング膜をより迅速に提供している。

 ベトナムでは、従来の二輪車産業や電子機器産業に加え、近年、海外大手自動車メーカーの進出やベトナム発の自動車メーカーも立ち上がるなど、自動車の需要拡大も見込まれている。製造業の発展とともに、これらの生産に用いられる切削工具・金型の長寿命化によるコスト削減効果や、加工速度向上によるスループット向上、コスト削減効果への期待からコーティング技術が注目されている。NEVでは2020年7月よりベトナム市場向けコーティング受託サービス事業を開始した。新型コロナウイルス感染症が収束してきた2022年4月以降、ベトナム経済の順調な回復を受けコーティング需要も増加しており、それら需要に応えるため装置を増設した。

 今回導入した装置は、同グループ会社である日本アイ・ティ・エフ(森口秀樹社長)が製造した「アドバンスドコーティングシステムM500D」。新型蒸発源「ステアワン蒸発源」を搭載したことにより平滑で高品位なコーティング膜が形成できるため、切削工具や歯切工具、成型金型の耐摩耗性が向上し寿命を大幅に改善することができる。有効コーティング範囲もφ500×H600mmと従来比1.5倍となり、プレス金型などの大型基材への対応が可能となる。またコーティング設備増設により、窒化膜(TiN、AlTiN、AlCrN)やDLC膜など対応膜種の拡充と納期の短縮も実現している。

PVDコーティング製品

 

admin 2023年4月13日 (木曜日)
admin

リガク、半導体デバイスメーカーの計測ニーズに応えるため米にテクノロジーセンター

1年 ago
リガク、半導体デバイスメーカーの計測ニーズに応えるため米にテクノロジーセンター

 リガク( https://japan.rigaku.com/ )は、2023年4月11日、半導体デバイスメーカーの計測ニーズに応えるため、アメリカ・カリフォルニア州サニーベールに「リガク・テクノロジーセンター・シリコンバレー」を開設した。

リガク・テクノロジーセンター・シリコンバレー

 同センターでは、リガクの最新の薄膜デバイス計測技術の紹介、デモ測定、アプリケーション・オペレーション・メンテナンストレーニングなど、様々なサービスを提供する。

 同社は、過去 30 年にわたり、半導体デバイス計測業界をリードする様々な製品を開発し、研究開発からインラインファブリケーションまで幅広い用途にX線分析技術と装置を提供し続けている。今回の同センターの設立により、米国の半導体デバイス顧客との関係がより緊密になり、次世代ソリューションの開発促進に拡がることが期待るという。

 取締役副社長兼薄膜デバイス事業部⻑の尾形 潔氏は「今回の半導体計測テクノロジーセンターの開設は、半導体の研究開発や大量生産に向けた最先端の計測ソリューションを提供するための重要な一歩である。この新施設は、当社が近い将来展開する多くの重要な取組みの最初のステップとなる」と述べている。

 同センターでは、最新技術を駆使した以下の半導体計測ソリューションを体験すること
ができる。
・全反射蛍光X線分析(Total Reflection X-ray Fluorescence、TXRF):基板表裏面の微量コンタミネーション検出
・波⻑分散型蛍光X線分析(Wavelength Dispersive X-ray Fluorescence、WD-XRF:薄膜の高精度膜厚・組成測定
・エネルギー分散型蛍光 X 線分析(Energy Dispersive X-ray Fluorescence、ED-XRF)および光学分析:FEOL(Front End of Lin、素子形成行程)、BEOL(Back End of Line、配線工程)、パッケージングアプリケーション向けの薄膜特性の評価
 マイクロスポット ED-XRF と光学顕微鏡の組み合わせは、インライン非破壊計測に活用できる。ED-XRF、XRR、XRD を統合した装置は、超薄膜、多層膜、ベタ膜、パターン膜など様々なアプリケーションをサポートする
・高分解能 X 線回折(High Resolution X-ray Diffraction)、X 線反射率分析(X-ray Reflectivity、XRR):エピタキシャル膜の歪み、組成、膜厚、多結晶膜の結晶相、テクスチャー、多層薄膜の膜厚、密度、ラフネスの測定に使用する

 

admin 2023年4月13日 (木曜日)
admin
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