第90回 自動車技術展に見る自動車の軽量化技術

toyota 自動車、部品、材料メーカやテスティング、CAEソリューション、カーエレクトロニクスの最新製品・技術が一堂に介した「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展 2010」が5月19日~21日、横浜のパシフィコ横浜で開催、70,947名が来場した。
今回の展示では、販売が好調なハイブリッド自動車(HEV)や、発売が始まった電気自動車(EV)の市場をにらんだ製品・技術が多数展示されたが、内燃機関も含め一様に、軽量化による低燃費化技術がアピールされた。

 エンジン技術の軽量化ではたとえば、不二WPCがアルミピストンの耐久性と摺動特性を向上する表面改質技術として、潤滑性・耐摩耗性が高いダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングとその密着性を向上する微粒子ピーニング(WPC)を複合処理する手法を展示した。

 また、エンジン周りの金属部品について樹脂化による軽量化がいくつか提案されていたが、たとえばダイセル・エボニックでは、エンジンオイルポンプ用のギヤロータで軽量化のほか静粛性、耐油性に優れるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂の適用を提案した。

nskトロイダルCVT nsk2右:油の攪拌抵抗を低減したパワーローラ軸受保持器今回「トロイダル形無段変速機のトラクション接触面内部における発熱解析」で自動車技術会の論文賞を受賞した日本精工では、パワーローラ軸受保持器を平板からドーナツ型に湾曲、トラクション油の攪拌抵抗を低減することなどで、実用領域での伝達効率を向上するとともに、バリエータの小型化を図り軽量化し、数%の燃費向上につなげるとして、近い将来の再度の車載を目指している。

ntn また、NTNは、インホイール型小型モータ内蔵アクスルユニット、電動ブレーキユニット、多軸荷重センサを組み合わせたインホイールモータ式の次世代EV向けユニットを出展した。小型モータの高速回転を生かしながら1/11の高減速比でトルクを増幅してタイヤに伝えるサイクロイド減速機を納めたユニット化などにより、従来の開発品に比べ3割程度の軽量化を実現している。

 材料・表面改質技術や加工技術のほか、CAEなど解析技術や試験・評価技術など様々な技術・手法により支えられた、内燃機関のさらなる燃費向上とCO2削減、またHEVやEVの一充電あたりの走行距離延長につながる軽量化技術のさらなる発展に期待したい。