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 本作は2002年の香港映画『インファナル・アフェア』をマーチン・スコセッシ監督がリメイクした。スコセッシ監督は本作で初のアカデミー監督賞を受賞した。

 貧困と犯罪が渦巻くマサチューセッツ州ボストン南部(通称サウシー)で育ったビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)は、警察学校を優秀な成績で卒業するが、その生い立ちを買われ、マフィアへの極秘潜入捜査を命じられる。その任務はアイリッシュ・マフィアのボス、フランク・コステロ(ジャック・ニコルソン)を信用させ、犯罪の確証をつかむこと。一方、同期の優秀な若手警察官であるコリン・サリバン(マット・デイモン)は、マフィア撲滅の特別捜査課(SIU)に配属されるが、実はコステロに育てられ警察の情報を横流しする内通者。素性を隠して潜入生活を続けるビリーとコリンの二人は、それぞれ迫り来る影におびえながらミッションを遂行しようとする。

 押さえようとしていた証拠というのは、コステロが巡航ミサイル用に中国に売りつけようというマイクロプロセッサの密売。先の北朝鮮のロケット、いや核弾頭ミサイルがどの程度の命中率だったのかは不明だが、こちらは100万km先のラクダも外さないという(100km先にラクダがいるかどうかが不明だが)。「台湾を十分にけん制できる」というコステロの言葉に、中国側は取引を行うが…。

 本作は影でコステロを庇護するFBIと彼を追うSIUとの対立を描きながら、アイルランド系アメリカ人の生き様を描いた。スコセッシ作品でマフィアのドンといえばロバート・デ・ニーロが定番だが、アイリッシュ系ということでキャストから外れたのだろうか。『シャイニング』での演技を思わせるようなジャック・ニコルソンの狂気あふれるボス役も圧巻である。