第45回 省エネ・高効率生産のための設備保全の促進を!

 提供:新日本製鐵稼動率が低下している生産工場で、省エネ化を図る設備保全への取り組みが増えてきている。設備保全の取り組みは省エネだけでなく、設備の突然停止につながる設備要素の異常を事前に予防し、経済的損失も抑えるという「予防保全」からも意義は大きい。

 予防保全と省エネの観点では、機械の運動を実行する機械要素のロスや摩耗を抑えエネルギーロスなく円滑に作動させる、潤滑油の管理も欠かせないだろう。

 たとえば新日本製鐵での潤滑管理活動を見ると、大きく油漏れ管理と潤滑系診断を実施している。

 油漏れ管理としては、シリンダーのパッキンや配管のホース、ポンプのオイルシールなどが対象となる、各種の疲労寿命試験をクリアしたパッキン、ホース、オイルシールを適用することで単品ではコストアップになっても、機器のロングライフ化とトータルコストダウンにもつながる。

フェログラフィー法 また、使用油をサンプリングして行う潤滑系診断としては金属摩耗粉を分析するフェログラフィー法、摩耗粉など油中のコンタミの粒径や個数を計測するパーティクルカウントなど汚染分析法などがある。いずれも潤滑油の劣化を早期にとらえ機器の異常を未然に防ぐ技術である。

 故障が発生した後の事後保全に対して、予防保全として潤滑管理を実施することを「メンテナンス・トライボロジー」ともいう。「トライボロジー」については先に述べたが、1966年に英国で国策として生まれた摩擦・摩耗・潤滑の科学技術の総称。英国内の鉄鋼所の適切な潤滑管理を実施することで、当時の英国のGNPの1%以上(当時の金額で年間5,000億円)を節減できるという調査報告から、各国でトライボロジーの視点から設備管理、製品・技術の研究・開発が行われてきている。

提供:日本システムサービス提供:新日本製鐵 総合潤滑管理システムを事業とする日本システムサービス(本社・札幌市)の磯谷喜冶社長は、「2008年現在でわが国の給与水準(高卒者の平均給与)は、トライボロジーの調査報告がなされた1966年当時の約15倍程度で、一方、現在の我国に於ける工業規模および潤滑油の総消費量は英国本国の約2.5倍。先の潤滑管理による節減費用5,000億円を現在のわが国に当てはめると、年間で5,000億円×15×2.5=18兆7,500億円にも達することになる」と語り、トライボロジー運動の再燃を呼びかける。

 自動車をはじめ少しずつ生産が拡大してきている今こそ、本格的な立ち上げに向けて、省エネと生産の効率化、経費節減に貢献する設備管理システムの導入・促進を望む。