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 籠城事件の際、人質をとった犯人と直接渡り合うネゴシエーター(交渉人)専門の刑事の活躍を描いたポリス・アクション。籠城事件解決においては百戦錬磨のサンフランシスコ市警の名物刑事ローパー(エディー・マーフィ)は、同僚の刑事を殺して宝石店に立てこもったコーダ(マイケル・ウィンコット)を激しいカーチェイスの後、逮捕した。だが報復に燃えるコーダは脱獄し、ローパーの恋人ロニー(カルメン・イジョゴ)を狙う。

 コーダという男はかなり冷酷でタフな犯罪者である。4WDでのカーチェイスの後、路面電車に立てこもってのチェイスである。何とかかんとかつかまりはしたものの、ローバーへの復讐のため脱獄を企てる。その方法は、クリーニングに出す衣類を運び出すコンベヤである。回転寿司を運ぶような循環式のコンベヤ上のハンガーに衣類を下げる。ベルト駆動かチェーン駆動により、ハンガーをかけたブロックが一つずつ進んでいく。つまり、ぶら下がった衣類が押し合いへし合い進んでいく。コーダは、その衣類にまぎれてハンガーにつかまり、衣類とともに、階下の部屋へと運び出されるのである。これで脱獄完了。

 ところで本作の原題は”METRO”。ネゴシエーターではないんだと思ったら、たしかにあまりネゴがうまくない。ネゴがうまくないから、ハード・アクションになるのである。大量のスクラップの山を築いていくカーチェイスの中でもその他でもメカの見どころは満載だが、犯人との頭脳戦はあまり期待できないのであしからず。